ライトマネジメント

お客様インタビュー:株式会社JVCケンウッド様

育成を終え独り立ちする若手社員に、広い視野を持って自らのキャリアを考えてもらうきっかけができた(株式会社JVCケンウッド様)

「若手社員の早期退職」と聞くと、つい離職率などの数字を追いがちです。しかし、職を離れる社員一人ひとりにそれぞれの理由や抱える想いがあることを意識し、離職防止ではなく社員のキャリア形成のために向き合い支えていくことが、本来の意味でのリテンション対策になるのではないでしょうか。

今回は、当社の提供する若手世代に向けたキャリア支援プログラムCareer Rudderを、「入社3年目フォロー研修~プロティアン・キャリアによるキャリア形成~」として導入された企業様にお話を伺いました。

今回インタビューにご協力いただいたのは、「株式会社JVCケンウッド」様です。インタビューでは、人事部 にて幅広い世代へ向けた人材育成、キャリア支援に取り組む松田様に登場いただきました。言葉の端々からキャリア支援にかける熱い想いが伝わる松田様に、「Career Rudder」を検討された理由、研修やその前後の様子など、詳しくお話を伺いました。

若手社員に「やりたいことはこの会社でできる」ことを伝えたい

――今回、若手人材向けキャリアデザイン研修「Career Rudderを「入社3年目フォロー研修~プロティアン・キャリアによるキャリア形成~」として導入いただいた背景には、どのような理由があったのでしょうか。

松田様:キャリアデザイン研修自体は10年ほど前から導入していました。30歳から5年刻みで、35歳、40歳......といった時点を「ポイント年齢」として、それぞれその年齢にふさわしいワーク・ライフ・マネーといったテーマを、社員自身で考えるというものです。マンパワーグループ様にも、50代のキャリアデザイン研修をご提供いただいていました。

ただ、この一連の研修は30歳からスタートしますので、これまで20代の社員にはキャリアデザイン研修の機会がありませんでした。そこで、いわゆる若手にも入社して数年目の段階でキャリアデザイン意識をしっかり持ってほしい、そのために良い研修プログラムはないかということになりまして。

――若手の方に「キャリアデザイン意識をしっかり持ってほしい」とお考えになったきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

松田様:数としては少ないながらも「若手社員が、会社の中でやりたいことを見つけるきっかけがないまま退職してしまう」というケースが散見されたことですね。

最近の若手社員の傾向として、入社前に「こういう仕事がしたい」というところをある程度絞って、それを実現するために会社に入ってきている感触があります。しかし、我々の会社は現在のところジョブ型ではないので「さまざまな経験を積んだうえで、最終的に自分に合った分野のスペシャリストやエキスパートになってもらう」というキャリアコースを提供しています。

ところが、この「やりたいことに縛られず柔軟に考えて、さまざまな経験をしておいた方がいい」ということや「ここにはその経験をするための環境が整っている」といった我々の考えが、なかなか若手社員に伝えられていなかったのです。

我々は取り扱う業務も比較的幅広いですし、規模もそれなりですので、若手社員が考えている「やりたいこと」の大体は、実は自社で実現できるものなんです。ただ、これまでは若手のうちにそれに気づく機会が少なく、結果として退社につながることがあった。もちろん会社としては当社で長く活躍していただきたかった方々なので、非常に惜しい状況ですし、我々もうまくサポートできていなかったのではないか、いわゆるリテンション対策が必要なのではないかと考えたのですね。

すでにキャリアデザインを学んできた若手社員には、それに応じた新しい形の支援が必要

――数ある研修会社のなかから当社の「Career Rudder」を選ばれた理由は何でしょうか?

松田様:最近新卒入社した年代の社員ですと、学生時代にすでにキャリアデザインについて学んでいるのです。それに対して、従来実施してきたキャリアデザイン研修というのがふさわしいかどうかは課題のひとつでした。従来のキャリアデザイン研修は、研修を通じて自分のキャリアイメージを持ってもらうものだったわけですが、そういったことをすでに学習している若手社員には「そのうえでどうするか」というところまでフォローする必要があるだろうと。

また、我々は入社から3年間を育成期間としていまして、3年目の研修はちょうど若手社員が自律を身につけ、独り立ちするきっかけでもあります。3年目というと目の前の与えられた仕事に一生懸命になってしまいがちですが、独り立ちする4年目以降には主体的に「次は何をしようか」と考え、動くことが必要になってきます。こういった研修を実施することで、本人の自律する意識や、キャリアについて上司と会話してもらうといった自律のための環境が醸成できる。入社時の「こういう仕事がしたい」という気持ちを思い返し、その気持ちを持ったうえで自律して4年目に突入してもらいたいのです。

私自身も人材育成の担当をしているので、その情報収集をするなかでプロティアン・キャリアについては知っていましたし、若手社員がこれから変化の激しい環境のなかで働いていくうえで、プロティアン・キャリアの考え方というのはとてもマッチしている、時代に合うのではないかと感じていました。ただ、それを具体的に若手向け研修プログラムとして取り入れている会社というのは、マンパワーグループ様が初めてでしたね。本当にタイミングよく巡り合えたのです。

Career Rudder」の3年次研修は事前学習から研修終了後までのストーリーが確立されている

――研修プログラムの内容や、オンライン研修といった受講スタイルについてはいかがでしたか。

松田様:基本的なプログラムが我々の狙いにマッチする内容でもありますし、さらに需要に合わせてある程度柔軟に調整していただけたので良かったです。

特に去年からコロナ禍でオンライン化が一気に進むなか、個人的にはオンラインだと集中できる時間に限界があると感じていましたので、研修自体が4時間とスピーディーなところや、それでいて必要な内容をしっかり盛り込んだ設計には魅力を感じました。

――コンテンツのなかで特に印象に残っているカリキュラムはありますか?

松田様:「どれが良い」というよりも、全体的な完成度に感心しました。事前課題にLMSを利用する形式も各人が自分のペースで取り組めて良いですし、内容的にも会社の業績分析などから入っていくのは我々の目的にとても合っている。実は、業績といっても細かい数字を把握していてほしいのではなく「どこまで分かっていますか?」という問いかけそのものに意味があるんです。「目先の仕事にとらわれて、こういう情報が追えていなかったな」とか、「今まで気にしていなかったけど興味がある」といった風に、ここで若手社員自身の中で何かが起きるんですね。

そこから、事前課題に答えていくなかで「どういう研修なのか」というリード部分ができ上がっていく。さらに最終的な研修の着地点では、講師の方が「若手社員自身のやりたいことと会社として必要としていることの接点を持つ」というところにうまく落とし込んでくださる。全体のストーリーがしっかりできているんですね。

キャリアデザイン研修はマンパワーグループの得意分野と確信。今後も強みを生かして

――実際に「Career Rudder」を受講された方の反応や社内の反響はいかがでしょうか。

松田様:目の前の仕事に一生懸命で、ともすると配属先だけが「会社」だと勘違いしかねない状況もある入社3年目、この研修が「一旦止まって考える」いいきっかけになったようです。まずはこれまでの自分を振り返ったり、次のステップでどうしようかと考えたり。さらに周りを見て、同期の皆がどんな風に成長しているか、専門分野や所属、職種が違うだけで思った以上にお互いの違いが出てきていることに刺激を受けることもできた。そういったことが、次のステップへのモチベーションにつながっている様子も見られました。

――研修後の報告などのやりとりも非常に活発だったのですね。

松田様:実は、報告の仕方にも工夫をしまして「自分の考えていることを上司に伝える」という形式をとったんです。というのも我々の3年目研修は、キャリアデザイン研修と、コミュニケーション技術を学ぶアサーション研修がセットになった2日間のカリキュラムになっていまして。この両方で学んだことを組み合わせて「自分の感じたことや考えを自分の言葉で上司に伝える」形で実践しましょうと。

例えば「自分のキャリアプランはこうで、最終的にこうなりたい」、「今まで3年間はこうだったけれど、次はこういうことにチャレンジしたい」といったことを若手社員自ら上司に伝えてもらう。アサーションのように「一方的に言うのではなく、落としどころを見つける」ようなコミュニケーションというのはすぐには身に付きません。しかし、失敗してもいいから今のうちにチャレンジしてくださいと。それが若手社員にとっては、これまで上司に言ってもいいのか、相談しても構わないのかと迷っていたようなことを初めて話すきっかけにもなったようです。

――「報告」という形だけでなく、研修内容を実践する場として活用されたのですね。このような形でストーリーの「続き」を作っていただけるとは、驚かされました。

松田様:報告を受けた上司の方も驚いていたようですが(笑)、良い反応がありましたね。日ごろから指導したかったことを伝えるきっかけになったり、お互いの考え方がすれ違っている部分に気づいたりできたと聞いています。逆に言えばこれまで、若手社員本人に「この先4年目に入って自律したあとにどうしていけばいいのか」という会話をするきっかけがなかったのを痛感しました。

――これからのキャリア支援に向けて、当社にどのようなことを期待されますか?

松田様:今回、マンパワーグループ様にとってキャリアデザイン研修というテーマは得意分野なんだというのを強く感じました。「研修当日限りで終わってしまう」内容ではなく、「研修の前後も効果的に取り入れていく」という意味で、若手研修である「Career Rudder」の仕組みはとてもうまくできていますし、年齢層が高い50代の研修も、講師の方がとても巧みなのでその年代にふさわしい内容で進めていただけます。

今後、より一層キャリア支援を手厚くしていきたい。若手には活躍のきっかけをつかんでもらいたいですし、シニアには長く働いていただくためのモチベーションアップや、知識のブラッシュアップの機会を作りたいと考えていますので、これからも協力し合いながらキャリアデザイン研修の幅を広げていけたらと考えています。

――貴社のあらゆる年代の方に生き生きと活躍していただけるよう、これからも当社の強みを生かして、キャリア支援のサポートに努めてまいります。本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

企業名:株式会社JVCケンウッド

本社所在地:〒221-0022 神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目12番地

ホームページ:https://www.jvckenwood.com/jp.html

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