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2020/12/22再就職を成功させるためのポイントとは?20代~50代まで年代別に紹介!

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「憧れの仕事に挑戦したい」「キャリアを見直したい」などの理由から、再就職を検討している方も多いかもしれません。ただ、20代と50代では転職市場での扱われ方も大きく変わってきます。だからこそ活動を始める前に、自分の年齢に合わせた再就職の進め方を知っておくことが大切です。そこで今回は、再就職を成功させるポイントを年代別に紹介します。再就職と転職の違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

※再就職で成功する人の特徴を知りたい方は、≪再就職で成功する人の特徴とは?活用すべき人材サービスも紹介!≫もご一読ください。

そもそも「再就職」とは?

再就職の成功ポイントを紹介する前に、前提として「再就職とは何か」について解説します。なかでも「再就職」と「転職」の違い、再就職の現状について詳しく紹介します。

(1)再就職と転職の違いは?

まず「再就職」とは、在籍している企業を一度完全に退職し、失業期間を経て新しい企業へ就職することです。一方の「転職」は、企業に在籍している間に別の就職先を見つけて、退職と同時に新しい企業へ籍を移すことを言います。つまり、再就職と転職の大きな違いは、「失業している期間(ブランク)」があるかどうかです。

◆「再就職」の場合にできること
再就職では、離職後に会社選びを始めることになります。仕事をしていない分時間に余裕があるため、じっくり会社選びに向き合う時間があります。また、就職活動をしながら勉強やインプットに充てることで、スキルや資格も身につけられます。

また、前職で雇用保険に加入していた場合は、失業期間中に「失業手当」を受給できます。一方の転職の場合は失業期間がないため、失業手当は受け取れません。失業手当は勤務年数や直近6ヶ月の給与額に応じて金額が決まるため、前職に長年在籍した場合・給与額が高かった場合には、より多くの手当を受け取れることになります。

◆「再就職」で気をつけるべきこと
再就職は、離職してから動き出すことになるため、精神的な負荷がかかる場合があります。進路が確定しないまま日々を過ごすことになるので、再就職活動が長引くにつれ、どうしても精神的な不安が募ってくるものです。「早く再就職先を決めなければ」という焦りから、つい給与や休日などの条件面で妥協してしまうケースもあるかもしれません。

また、ブランクが長いと、面接でもその点を指摘される可能性があります。「離職期間が長いのには、何か理由があるのだろうか」と面接官に考えさせてしまい、選考でネガティブな要素になるケースも珍しくありません。

(2)「再就職しやすさ」の現状とは?

再就職・転職しやすさを示す指標に、「有効求人倍率」があります。有効求人倍率とは、求職者1人につき何件の求人があるかを示す数値です。例えば、有効求人倍率が2倍なら、求職者1人当たり2件の求人があることになります。もちろん、有効求人倍率が高いほど選べる求人が増えるので、再就職・転職しやすいということです。

最近までは景気回復に伴って、有効求人倍率が比較的高い数値を示していました。実際、厚生労働省が発表したデータ(※1)では、2019年12月の有効求人倍率は1.57倍でした。ただ、2020年に新型コロナウイルスが流行し、景気が後退。採用を控える企業が増え、有効求人倍率は2020年9月時点で1.03倍(※2)となっています。

今は求職者にやや向かい風の状況と言えるため、再就職活動を成功させるための準備が欠かせないといえます。成功させるためのポイントを理解しておくと十分な対策ができるでしょう。

※参考1:一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について|厚生労働省
※参考2:一般職業紹介状況(令和2年9月分)について|厚生労働省

再就職を成功させるためのポイントを年代別に紹介!

それでは、再就職を成功させるには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
各年代における再就職の特徴と、押さえておきたいポイントについて紹介します。

(1)20代

今は少子高齢化ということもあり、若年層の人手不足を課題に感じる企業も多いです。そのため、企業では若手の採用ニーズが高まっており、年齢だけ見ると20代は転職市場において有利だと言えるでしょう。特に社会人経験が3年未満の「第二新卒」は、社会人としての基本的なスキルやマナーが身についており、企業から見れば教育コストを抑えられます。そのため、未経験の職種・業界であっても、採用されやすい年代と言ってよいでしょう。

<再就職のポイント>

◆企業理解をしっかり行い、明確な志望動機を用意する
選考ではポテンシャルを重視してもらえるケースも多いため、「新しいことを吸収できる柔軟さ」や「スキルアップへの意欲」を伝え、成長の可能性を示すことが大切です。ただ、意欲を伝えることは単純に「頑張ります」とアピールすることではありません。「いかに本気でその仕事を選んでいるか」を伝えることが重要なのです。

例えば、志望動機を話す際は「他社にはない御社の○○という強みに惹かれました」と、数ある企業のなかからあえて応募企業を選んだ理由を伝えます。また、「この職種は○○という厳しさがあるのも理解していますが、望んだスキルを習得するためなら諦めずに努力できます」など、職種の"厳しい面"への理解度も示すと熱意が伝わるでしょう。志望動機に厚みを持たせるためにも、事前に十分勉強して企業理解を深めることが大切です。

◆「なぜ前職を辞めたのか」という問いに備える
20代は前職での経験が浅いこともあり、「なぜ前職を辞めたのか」という質問をされることも多いです。そのため、退職理由を明確に答えられるようにしておきましょう。その際、意識したいのは「キャリア選びの一貫性」です。ただ場当たり的に仕事を変えているのではなく、明確な軸に基づいていると伝えることが重要なのです。

例えば、「新卒の会社では、社会人の基礎となる対人能力を身につけるため、あえて営業に挑戦しました。土台となるスキルを身につけた今なら、学生時代から憧れだったコンサルタントに挑戦できると考え、転職を決意しました。習得した対人能力を活かし、御社で早期の戦力化を目指したいと考えています」といった流れです。「前職での経験」と「今回の志望動機」を紐づけることで、キャリアの計画性や自律性を評価してもらえるでしょう。

(2)30代

30代になると社会人経験も長くなるため、20代と比べて「ポテンシャル」よりも「経験」を重視されるようになります。実際、企業によっては未経験募集の求人に「35歳まで」の年齢制限をかける(※雇用対策法 例外事由3号のイ)こともあり、初めての職種にはやや挑戦しにくくなる年代と言えるでしょう。そのため、30代の再就職では経験を棚卸しして、自分の習得したスキルをいかに新しい企業で活かせるかを考えることが大切です。

また、年齢が上がるごとに企業の採用ハードルが上がるため、以降の再就職は徐々に難しくなります。そう考えると30代は職業人生の大きな分岐点でもあるので、40代・50代を見据えて慎重に仕事を選ぶようにしましょう。

<再就職のポイント>

◆「即戦力」であることが伝わるよう、経験をアピールする
企業が30代の中途採用者に求めるのは、「即戦力」です。「これまでの経験を活かして、業績に直結するようなパフォーマンスをしてほしい」「プレーヤーとして、若手社員のお手本になるような存在になってほしい」という想いが企業にあります。そのため、こうした企業の期待に応えられるような形で経験をアピールしましょう。

その際、自分の培った能力を「テクニカルスキル」「ポータブルスキル」に分けて整理しておくことが大切です。「テクニカルスキル」とは特定の職種で活かせる専門技能、「ポータブルスキル」は職種にかかわらず活かせる汎用的な能力のことです。例えば、テクニカルスキルなら「アポイント獲得からクロージングまでひとりで完結させられる営業スキル」、ポータブルスキルなら「チームメンバーの意見をうまくくみ取ることのできる協調性」などが挙げられます。このように強みを分かりやすく言語化しておくと、書類や面接で伝えやすくなるでしょう。

◆「マネジメント力」の有無が、転職成功の決め手になる
30代の中途採用者に求められるもうひとつの能力が、「マネジメント力」です。30代は若年層の社員たちを指導する存在でもあり、プロジェクトの中心人物として迎えられるケースも少なくありません。そのため、過去にマネジメント力を発揮できた経験をまとめておくようにしましょう。例えば、チームリーダーやマネージャーといった管理職の経験はもちろんのこと、後輩のOJTやプロジェクト管理などの経験も、マネジメント力を示す立派な経験です。過去のマネジメント経験から何を学んだか・何を習得したかも踏まえ、整理しておきましょう。

(3)40代

40代になると給与水準が上がることもあって、企業の人材を見る目はより厳しくなります。能力が同じであれば、給与の低い20代や30代が採用されるケースも考えられるでしょう。また若年層の多い組織では、40代はベテランと見られることもあり、「組織になじめるだろうか」と企業に心配されることも増えるかもしれません。

ただ一方で、若年層と比べた40代の大きな武器は「経験の豊富さ」です。特に同業界・同職種であれば、企業からも専門性を高く評価してもらいやすいでしょう。また「管理職候補」の募集として、いきなりマネジメントを任せてもらえることもあります。40代の再就職ではこれまでの経験を整理し、強みに変えることが重要です。

※「中高年(40代・50代・60代)の再就職ノウハウ」について詳しく知りたい方は、≪再就職で「選ばれる」中高年の特徴とは?【次のキャリアに悩む方へ】≫もご一読ください。

<再就職のポイント>

◆企業ごとに、アピールすべき経験を選ぶ
40代になると、「経験の豊富さ」や「高い専門性」が評価されるようになります。だからと言って、今までの経験をただ並べるだけでは、評価につながりにくいです。あくまでも応募企業に活かせる経験を選んで、アピールする必要があります。例えば、管理職候補の募集であれば「マネジメント力」を示せるような経験をより詳細に伝え、専門職としての役割を期待されている場合は「知識・テクニカルスキル」の深さを伝えることが大切です。

そのため、再就職活動を始める前に、一度じっくり経歴を棚卸ししておくようにしましょう。それぞれの経験がどんな企業・業界・職種で活かせるのかをまとめておくと、応募企業に合わせて柔軟に強みをアピールできます。

◆組織風土になじもうとする「柔軟性」を伝える
40代は経験が豊富な分、「固定観念が強く、新しい組織風土に順応できないのではないか」と懸念されることがあります。そのため、新しい風土や考え方を柔軟に受け入れられる姿勢も、アピールするようにしましょう。例えば、これまでの職歴のなかから「企業理念やビジョンに沿って行動できた経験」「若年層と協業して成功した経験」などを伝えます。そうすることで、多様な価値観を受け入れられる柔軟性も評価してもらえるでしょう。

(4)50代

50代になると、定年退職が近づき働ける期間が短くなるため、企業が採用を躊躇(ちゅうちょ)してしまうケースも増えてきます。また、40代よりも給与水準が上がるため、さらに採用ハードルは上がるでしょう。そのため、使える人材サービス・人間関係のネットワークをできる限り駆使して、応募できる企業を探す努力が求められます。

とはいえ、豊富な経験やスキルが50代の大きな武器であることに変わりはありません。人件費さえ見合えば、50代の人材を活用したいと考える企業もあります。なかには「第四新卒」と銘打ち、ミドル層の採用に力を入れる企業もあるほどです。このように「50代を必要とする」企業・業界を見つけるのもひとつの戦略でしょう。

※「50代の再就職ノウハウ・成功のポイント」について詳しく知りたい方は、≪50代の再就職を失敗させない"コツ"とは?【早期退職へ応募する前に】≫もご一読ください。

<再就職のポイント>

◆需要のある業界・職種を見極める
できるだけ「今人材を必要としている企業」を選ぶことが、再就職を成功させるポイントです。例えば、人材不足の業界に着目するのもひとつの方策でしょう。特に建設・土木、運送、飲食、介護・医療などの業界は慢性的な人材不足で、比較的幅広い年齢層を採用する傾向にあります。こうした業界から応募企業を選ぶのも有効です。

また、なかには「特にミドル層を必要としている」業界もあります。例えば、高齢者向けの商材を扱う接客・サービス業態や、経営層を相手にするような営業職です。こうした職種では、ミドル層の持つ落ち着きや人間力がそのまま強みになります。ぜひ求人を選ぶ際は、商材やサービスの顧客層にも注目するようにしてみてください。

◆できるだけ多くの人材サービスを活用する
再就職の可能性を少しでも広げるためには、できる限り多くの求人と接する機会を持つことが大切です。そのため、利用できる人材サービスはできる限り活用しましょう。例えば、転職サイトやミドル層向けの人材紹介、ハローワークなどが一例です。また、早期退職や定年退職に伴って再就職を目指す場合には「再就職支援サービス」があります。再就職支援サービスは、専門のキャリアコンサルタントが伴走し、再就職に向けて求人の提示だけでなく様々な支援をするのが特徴です。中高年層の支援に強いため、希望にあった再就職の実現可能性が高くなります。ただし、出身企業が再就職支援会社と契約していることが条件になるため、退職前に確認しておく必要があります。

そして、人材サービスだけでなく、これまでに築いた人脈を活用することも大切です。紹介による採用(リファラル採用)は、通常の選考より有利に進められる可能性も高いため、積極的に活用することをおすすめします。

まとめ

再就職を成功させるためには、転職市場における自身の見られ方を客観的にとらえ、それを踏まえて活動することが大切です。その点、キャリアコンサルタントから客観的なアドバイスをもらうことも安心感につながります。再就職の意向が固まった際には、ぜひ再就職に関する人材サービスを積極的に活用することをおすすめします。

早期退職や定年退職などに伴って再就職を目指す場合は、再就職支援サービスが有効です。再就職支援サービスを活用することで、新しい仕事と出会うチャンスをより広げられるでしょう。

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