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2024/09/17人材紹介会社選びは 「私の場合」の観点で

私たちキャリアコンサルタントは、人材紹介会社を活用するメリットを鑑み、ご本人の可能性を広げるために人材紹介会社の活用をお勧めしています。しかしながら、人材紹介会社は企業から預かった求人にマッチする人を求人企業へ紹介するサービスのため、活用においては「登録しても企業の採用条件に合わなければサービスを受けられないことがあること」、「人材紹介会社のスクリーニングがあること」の理解が必要です。

関連記事:人材紹介会社の活用方法

本コラムでは、ご自身の方向性にマッチした人材紹介会社を上手に活用し、再就職した方の事例をお伝えします。

人材紹介会社活用のメリットを再確認

人材紹介会社に登録をしても、人材紹介会社のシステムを経由して応募したが、即座に定型的なお断りメールを受信する、応募したが一向に音沙汰がないこともあります。人材紹介会社の担当者が求職者ニーズに沿わない対応をする可能性もあります。しかし、活用の方法次第では、あなたの再就職活動を効果的に進められることもあります。

改めて人材紹介会社活用のメリットを確認してみましょう。

  • 特定の人材紹介会社が保有する非公開求人を取り扱っている
  • 応募企業での面接時の質問等、その企業を知っているからこその具体的なアドバイスを受けられる
  • 業界に強い人材紹介会社は、希望に沿った求人紹介を受けられる可能性がある
  • 企業との交渉を代行してくれる


当初このメリットに気づかず、人材紹介会社を有効活用できなかったものの、最終的には最大限に活用できたという事例をご紹介します。

幅を広げすぎて情報の精査が困難 

35年間、エンジニアとして製品開発、生産技術、品質保証を担当してきた59歳の方の事例です。「65歳以降も安定して働ける会社」を目指して、初めての転職活動を行うことになりました。

活動当初は、工場勤務経験に加えて必要となる資格を取得しつつ、求人検索エンジンや検索でヒットした大手の人材紹介会社へ登録し、「お勧めメール」の求人情報を吟味してマイページから応募するやり方を続けていたようです。しかし「お勧めする求人情報」等の見出しで数多くの求人案件メールが届くようになり、メールチェックだけで多くの時間がとられるようになりました。また、お勧め求人となっているが職種や勤務地など希望条件に合致しない求人案件や、年齢問わず未経験でも良いという自身のスキルや経験を全く活かせない求人案件を目にすることも多く、「どうせ自分が望む良い求人はない」と気持ちが落ち込んでしまうことも多いと沈んでいらっしゃいました。

自身に適した人材紹介会社を活用することの有用性

その後の面談で、この方の年齢やご経験、スキルやご希望から、弊社で提携している地銀系の人材紹介会社が保有する物流手配責任者候補の求人案件をご提案しました。弊社と取引のある地銀系の人材紹介会社の案件です。

これまで面談の中でおっしゃっていたご希望やご経験から、この人材紹介会社は、ご本人の希望されている業界の企業といくつか取引があり、中堅・中小企業の取引先と日常的に接しているため、不足している実務家・専門家の人材要件を詳細に把握することが可能でした。

ご提案した求人案件の他、こちらの人材紹介会社であれば、他にも希望に合致する求人情報の紹介を受けられる可能性があると考え、この人材紹介会社へのご登録をお勧めしました。

人材紹介会に登録され、担当者の方にスキルやご経験、ご希望などをしっかり聞いていただき、ご自身の希望する案件のみならず、これまで考えてもいなかった経験を活かせる領域の案件も提案されるようになりました。

人材紹介会社とその担当者への不信感

ご紹介した人材紹介会社と求人企業の関係性もあり、無事に求人企業と面接を行う運びとなりましたが、ある日唐突に

「人材紹介会社と距離を置きたい」というお申し出がありました。

お話を伺ったところ「有給消化が難しいため日程調整時は配慮して欲しい」と人材紹介会社へ事前に伝えていたにもかかわらず、平日日勤帯で調整を進められたことに不信感を抱いているとのことでした。
ミスコミュニケーションによるものでしたので、「メールで書きにくいことは直接話をすること」「相手の対応が意に沿わない場合でも、飲み込まずに自分の希望を伝えること」「(その上で)妥協点を見いだせないか率直に話してみること」をアドバイスさせていただきました。

結局、直接担当者と話をしたことで理解も得られ、またメールだけでは伝えづらかった熱意なども相手に伝えることができ、担当者から求人企業へ働きかけて頂いたことで、面接は定時後の開催で進められることになりました。

「その企業」を知り尽くしている担当者の後押し

物流手配担当者案件で話が進み、求人企業との面接となりました。面接では人材紹介会社の担当者も同席し、企業の経営層の方を含む三者で行われたそうです。面接では、これまでの仕事の経験に加え、計画的に資格取得を進めてきたことや65歳以降も働きたいという意欲をアピールしたところ、企業からは「再雇用は65歳となっているが、65歳を超えて働いている人もいる」という情報をいただけとのこと。

さらに、「現在、品質保証を担っている人材が再雇用満了まで残り僅かのため、経験のある品質関連の仕事の方がマッチしているのではないか」との提案を受けたそうです。そこで、企業の内部事情とご本人の経験を熟知していた人材紹介会社の担当者からも、強く後押ししてもらえました。

そして後日、品質関連の後任者として見事に内定を得ることができました。現在までに培った経験を活かし、65歳以降も働き続けるイメージもつかめ、内定を応諾、再就職活動を終了しました。

人材紹介会社を味方につけて理想の職場を見つける

人材紹介会社を活用した転職には、年齢だけでなく「人材紹介会社によるスクリーニング」という壁が立ちはだかります。そのため、まずはあなたに合った最適な人材紹介会社を探すことをお勧めします。数多くある人材紹介会社の中で、「大手だから多くの案件があるだろう」だけでは、スクリーニングから外れてしまうということもあるかもしれません。もちろん大手は案件数が多いというメリットはありますが、ご自身のご経験に近い企業と多く取引のある人材紹介会社は、よりあなたのご希望や経験に合う求人案件があり、また背景を踏まえての求人提案がなされる可能性もあるため、広く検討することが重要です。

また、人材紹介会社選びもそうですがどのように付き合うか、も重要になります。自分の思いや考えを素直に伝えしっかりとコミュニケーションをとることで、きっとあなたの大事な味方となってくれるのではないでしょうか。

私たちキャリアコンサルタントは、常に皆様に寄り添い、適切なアドバイスや実践のご支援をすることで、皆さまの再就職活動を応援しています。いっしょに頑張っていきましょう!

キャリアコンサルタント 上田

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