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2025/01/15多様化する「再就職活動での人脈の活かし方」

再就職活動のご支援をしているご登録者からの再就職先が決定したというご報告は、一緒に活動状況を共有している私たちキャリアコンサルタントにとって非常に嬉しものですが、意外にも面談では特に話題にも出なかった企業への再就職となった、という例は少なくありません。

というのも、「実は以前、一緒に働いていた方からお声がかかった」 「久しぶりに会った友人に会社を辞めたことを話したら、ちょうど人を探しているところを紹介してくれてあっという間に仕事が決まった」というような流れで再就職が決まったというケースが結構あるためです。

また、45歳以上の転職実態調査によると求職者の実に4割以上の方が人脈を活用して再就職を果たすことを検討しているとも言われており、人脈が基点となる再就職をするという例は多いかもしれません。(※ご参考:調査シリーズNo.149「中高年齢者の転職・再就職調査」|労働政策研究・研修機構 より)
こちらの調査は少し前の2016年の調査となるため、現在はもう少し転職エージェントや求人サイトの他、様々な媒体などの利用で再就職する割合が増えているかもしれませんが、いずれにしても人脈は十分活用すべき再就職先求人情報の入手先になるかと思います。

一方で、実際のご支援の現場では「再就職に繋がるような人脈なんてない」 「知り合いに再就職のお願いなんてしていいの?」などの声も耳にします。
おそらく人脈を使うことによる抵抗感や、ご迷惑をおかけするのではないかという漠然とした不安感があるのではないかと思います。本記事では人脈を"使う"のではなく、人脈を"活かす"という視点と、人脈自体の活かし方も多様化してきていることで採用する側も人脈を活用している例をご紹介します。

そもそも人脈とは?

『人脈』の言葉の意味を辞書などで検索すると、『ある集団・組織の中などで主義・主張や利害などによる人と人とのつながり』と出てきます。そのため、人脈を個人の利害のために使う手段と捉えて、パーソナルな再就職に人脈を持ちだしてきていいの?と、思われる方も多いでしょう。

しかし、私たちが用いる『人脈』は少し意味合いが違います。今までの職業人生を振り返ってみてください。これまで携わってきた仕事は一人では決して成立しなかったのではないでしょうか。仕事は大小問わず、社内外の方々と関わり、何らかのゴールに向かって進めていきます。その過程で交渉や調整、協力や選択などが繰り返されていきます。まさにそこで関わった方々との間に『人との繋がり=人脈』を築いてきているのではないかと思います。

また、仕事だけの関わりだけではありません。学生時代からの付き合いや仕事を離れてボランティアや趣味などで関わった方々との絆から、皆さんが誠実に一生懸命取り組んできたことに対して築かれた『人脈』は、皆さんの実力や経験、取り組み姿勢やお人柄から培われる大きなスキルの一つなのです。

多様化する人脈の活かし方

自身の経験から培ってきた人脈を活かすことは何ら後ろめたいことでは無い、ということはご理解いただけたかと思います。

また、最近は、直接のご人脈の活かし方から様々な形での求人の探し方や採用方法がありますので、その内のいくつかをご紹介しましょう。

  • アルムナイネットワーク:
    アルムナイは本来、学校や大学の卒業生を指す言葉ですが、最近では、企業や組織で以前に在籍していた元社員やメンバーを意味する使い方が一般的になってきているようです。アルムナイネットワークは、卒業生や元社員同士が情報交換やサポートを行うためのコミュニティとして機能することが多いですが、その中で求人情報を入手することも多いようです。卒業生や元社員が起業していることもあり、新たなチャレンジングな求人情報を入手する可能性もあります。
  • リファラル採用:
    リファラル採用とは、近年、特に注目されている採用手法です。企業が自社の従業員から知人や友人を紹介してもらう採用手法になります。自社従業員からの紹介なのでお人柄や企業風土、また、スキルがマッチしている方を紹介してもらえる為、採用側は安心して選考に進められるメリットがあり、最近はこのリファラル採用の積極化が進んでいます。

また、応募する側も信頼できる知人、友人からの紹介なので一般応募では知りえない組織風土や仕事内容を確認した上で応募に進められるので、入社した後の齟齬も少なく安心して就業が可能なメリットが有ります。

  • SNS(LinkedInなど):
    最近の再就職活動においてはSNSも人脈ツールになるでしょう。
    特にビジネスSNSと言われる「LinkedIn」は過去に在籍していた企業、一緒に仕事に取り組んだ取引企業などビジネス上で関わった方々と繋がれる大きなビジネス人脈ツールです。
    それ以外の活用方法として、求人情報も入手できますし、あなたの経歴やスキルに魅力を感じた企業人事より直接アプローチがくることもあります。また、以前、私が担当していた方は、事前に面接担当者をLinkedInで検索して確認したところ、以前、働いていた会社が同じだったことが分かり、面接時に緊張し過ぎず臨めた結果、あっという間に内定を獲得した方もいらっしゃいました。

このように、採用する企業側も信頼のおける、自社風土にマッチする方を採用するために積極的に人脈を活用しています。

まとめ

ご自身が培ってきた人脈を能動的に活用することは自分自身の職業人生の軌跡を活用することと等しいでしょう。職業人生を振り返った際に、一生懸命取り組んだことでできた大事な人脈を活用できるのも一つのスキルです。また、採用側が人脈を活用した新たな採用手法やネットワークを積極的に採り入れているのは、人脈がある・人脈を活用できる方は信用できる方だと理解しているため積極的に採り入れているのだと思います。

人生100年時代ともいわれています。仕事だけに限らず『人との誠実な繋がり=人脈』は人生においても重要な要素です。関わる方々に対しては誠実なコミュニケーションを意識して太い人脈を築いていきましょう。

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