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2024/08/13ライフとマネーとキャリアの相関関係 今後のライフプランの考え方

定年退職や定年前に早期退職制度への応募をきっかけに社外転進を目指すことは、今までの生き方・暮らし方・働き方を見直して、ご家族と一緒に新しい人生をスタートさせるいいタイミングともいえます。

本コラムでは今後のライフプランの考え方についてご案内します。

どのような人生を送りたいか考えてみる

私がこれまでに担当したご相談者の中でも、大都市の郊外のマンションを売却し地方都市に移住を決めた、奥様とご一緒にキッチンカーでの飲食販売をスタートさせた、メーカーの購買部長の経験を捨てて地方創生のためボランティア活動に入ることを決めたなど、様々な事例がございます。第二の人生を大きく変えたい方のみならず現状維持を希望している方も、この機会どのような道筋、人生航路を歩みたいか、まずはご家族と一緒にじっくりと話し合ってみるのがよいでしょう。

今後の支出の見通しを立ててみる

ご家庭の人生の設計図を描けたら、次にそれを実現させるための具体的なプランを考えてみます。その際にはお金がどれくらいかかるのか、具体的に考えることがポイントになります。地方に移住するとなるとどのような住まいを確保する必要があり生活費はこれくらい、個人事業主として事業を始める際にはどのような経費がどの程度発生するのか、ボランティアで地方出かけるとしたらどの程度の費用がかかるかなどです。また、ライフスタイルの変更でかかる費用だけでなく生涯にわたっての衣食住の費用が、トータルでいくらかかかるかを最終的には出しておくことも必要となります。

資産の状況を把握する

具体的なプランを実現するための大まかな費用が算出できたら、生涯に渡っての衣食住の費用をまかなうために今後の収入や現在保有する資産がどれくらいあるのか、足りるのかどうかを点検する必要があります。まず資産の状況を洗い出してみましょう。何をどのくらい保有しているか、もし増やせるとしたらどの程度増えるのかも見積もりましょう。特に換金性の高い資産の洗い出しは重要かもしれません。一般的に換金性の高い資産に現金、預貯金、株式、国債、投資信託、貴金属などがよく挙げられます。もちろん、退職金も重要な現金資産となります。

なお、土地や建物も資産といえるのですが、住むために所有していることが大半であり換金性が高いとは言えません。リバースモーゲージなどお住まいの土地建物を担保にして老後資金の貸し付けを受ける場合はまた別の考え方もできますが、リバースモーゲージなどを検討する場合は、契約内容や条件など細かく内容を確認する事が必要になりますので活用は慎重に検討しましょう。

必要な収入を見積もる

今まで導き出してきた支出から資産を引くと今後の支出をまかなう上で必要な収入金額が導き出されます。「支出-資産=ご家族の年間の総収入」となります。ご本人だけでなく奥様やその他ご家族の収入も含めてご検討下さい。また、この収入には公的年金や企業年金、配当収入や不動産収入なども含めます。そうすると収入の残りの部分である給与収入や事業収入がいくら必要か見えてきます。つまり、これから選ぼうとしている職業やライフスタイルで生涯に渡っての支出を賄えるだけの十分な収入が得られるのかどうかが分かってきます。

「支出=収入(年金+企業年金+その他収入+給与収入あるいは事業収入)+資産」の関係が成立するかどうかです。

十分な収入が得られない時はどうするか

生涯に渡っての支出を賄えるだけの給与収入や事業収入が得られないときはキャリアチェンジやライフスタイルの変更を見直すことも必要かもしれません。今までの経験・スキル・知識を活かせる職業の方が再就職しやすい上に年収も現状維持、また下がったとしても比較的軽微に済むことも多いようです。ただし50代後半以降になると今までの経験・スキル・知識を活かせる仕事に就くことが難しくなることも多いことを知っておいてください。そして収入も現状維持どころか下がる可能性が高い傾向にあることも想定しておきましょう。

まとめ

第二の人生のスタート時には、まずはご自分の夢やゴールをご家族と一緒に描いてみることが重要です。そしてその夢やゴールを実現するための手段や方法をお考え下さい。その際に何にどのくらいの費用が発生するかもしっかりと見積もりを立てること、そして資産状況を洗い出した上で、ご家庭の夢やゴールを実現するためにはいったいいくらの収入が必要となるかを試算してみて下さい。

試算結果では職業を変えても大丈夫、中には今後働かなくても生活可能なご家庭もあるかも知れません。逆に収入を現状維持もしくは大きく減らせないご家庭の場合は大胆なキャリアチェンジやライフスタイルの変更は可能な範囲に留めておいたほうが無難かもしれません。夢やゴールの実現も素晴らしいことはでありますが、お金の面を中心として現実的な視点も忘れないようにしてください。

キャリアコンサルタント 小西

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