2020/12/10私には何が向いているの?自分に合う仕事は?
先日、キャリア相談にお越しくださったご相談者は、
「これまで、この業界でこの仕事しか、してこなかった。他に何が出来るのか、わからない。何も出来ないと思う。」
と、おっしゃいました。
お話を伺っていくと、入社してから30数年間、様々な業務に従事していらっしゃいました。
営業からスタートされ、主任となり、顧客対応、後輩への指導、マネージャーへ昇進されて、部下を持ち本格的にマネジメント全般を担当、営業社員の育成指導、勤務は初任地から離れ全国転勤。最終的に部門長となり、売上予算管理、社内全体のマネージャー指導・サポートなどの多くのご経験をお持ちでした。
「仕事は、当たり前に業務としてこなして来た。
やって当然・出来て当たり前。」
続けて「こんなこと普通ですよ。皆していること。」と、ご相談者は淡々とおっしゃいました。
これは、長くお仕事をされている方の多くがお持ちの思考かと思います。
ご自身が、「当たり前」と思われていることは、
他者は意外に「当たり前」とは思っていません。
なぜなら、自分の考えや行動、大切にしていることは、100人いれば100通りあるからです。百人百様です。
全く同じ考え、行動も全く一緒で大切にしていることも全く同じ!だと、思える人に出会えたら、その方をぜひ大事にして頂きたいです。ですがおそらく近しい友人、大切なご家族の中にもなかなかいらっしゃらないと思います。私自身もまだ出会えていません。
「『色々なことが出来る方』とお見受けします。」
「何も出来ない」とおっしゃいましたが、お話しを伺いますと、私から、見れば「色々なことが出来る方」とお見受けします。その理由も交えてお伝えしました。
そうしますと、最初は戸惑われておられましたが、お話しを続けていくうちに、表情が変わり、様々な質問やご意向がでてきました。
「例えば、どんなことが向いていそう?」
「人と関わる仕事がいいのだがありそうか?」
「知り合いに、聞いてみてもいいか?どうだろう?」
「ボランティアでも、ありそうか?」
「学びなおしは、遅いだろうか?」
「退職前にどんな準備が必要だろうか?」
「もう転勤はこりごり。地元で探したい。」
「親の介護も考えないといけない。」
などなど尽きませんでした。
「自分なりにもう一度考えてみようと思う。」
最後には、「来たときは、不安があったが、何となく先が見えてきた。」「自分なりにもう一度考えてみようと思う。」
と、キャリア相談の前と比べて、気のせいか胸を張ってお帰りになりました。
「私には何が向いているの?」 「自分に合う仕事は?」
ご相談で、最初によくお聞ききするフレーズです。
そのフレーズの中に、不安・戸惑い・怒り・悲しみ・楽しみ等々のお気持ちが隠されているケースが多々あります。
私たちの役目は、そのお気持ちに触れ、寄り添いつつ、気持ちの整理が出来るようにお手伝いをすることです。
ここでの出会いが、今後の方向性をご自身で決めて進んでいくきっかけとなるよう心掛けています。