2020/12/10「キャリア」とは何かを知っておく
「働く」という言葉とセットで頻繁に出てくるキーワードのひとつに「キャリア」という言葉があります。キャリアアップ、キャリアチェンジ、キャリアを積んで・・・そういえばこのコラムもキャリアカフェですね。そもそもキャリアとはなんでしょうか。今回は労働市場におけるキャリアとは何かを確認してみましょう。これからの転職活動に役立つ考え方ができるかもしれません。
「キャリア教育」を受けていない40代以上の世代
キャリアとは、一般に仕事・経歴・就職・出世などのイメージで使われることが多い言葉ですが、厚生労働省が提唱しているキャリアの概念(※1)の中には、『時間的持続性ないしは継続性を持った概念』として定義されています。
そして、教育現場では、1999年にキャリア教育という言葉が登場します。(※2)
情報化・グローバル化・少子高齢化・消費社会化を背景に、社会における働き方や価値観も変わってきました。その中で、将来社会人として自立した人を育てる観点から「生きること」「働くこと」を考えるキャリア教育が始まったのです。
このコラムをご覧になっている皆さんは、教育の場で「キャリア」を学びましたか?もし現在40代半ば以上の方であれば、もしかしたらキャリアに関する教育などは受けていないかもしれません。自ら興味があったので書籍を読んだことがある、所属していた企業が提供するキャリア研修を受けたことがある、という方以外はなかなか触れる機会がなかったというのが実態です。
※1:厚生労働省『キャリア形成を支援する労働市場政策研究会』報告書
※2:文部科学省『キャリア教育とは何か』
キャリアは何歳からでも考えられる
働き方や社会情勢が変わってくる中で、日本古来の終身雇用という考え方も変わってきています。
そして、これは企業側だけの一方的な考え方ではなく、働く側の意識も変化しています。1社で長く働くいわゆる「就社」ではなく、自分の力を発揮できる場所・自分が活躍できる場所を求めて自分に合った職のためには所属企業を変わっても構わない、または独立するという考え方も、一般的になっています。
皆さんも、一度は転職してみようか、この仕事を続けてよいか、など考えたことがあると思います。たとえキャリア教育を受けていなくても、自分もいずれ、こんな仕事をしてみたいな、こんな業界で働いてみたいな、○歳くらいでは転職しようかな、起業してみたいな、ということを、いろいろなタイミングで考えたことがあると思います。
また、所属している企業で長く働いていこうと思っている方も、その中でどのような仕事をできるようになりたいか、管理職を目指すかスペシャリストになるかなどを考えたことがあると思います。
それはすでにキャリアについて考えている、ということなのです。
ぼんやりと考えていたことをフレームワークで考えてみたり、色々な角度から捉えてみたりすることで将来のありたい姿を考えてみる、ということがひとつのキャリアの考え方となります。
ありたい姿、そしてこれまでの経験・スキルと自分に求められていることは何かを考えることでキャリアを具体的に考えることができます。
キャリアを考えるための3つの視点
自分にとってのキャリアとはどう考えればよいのでしょうか。先ほど、ありたい姿、これまでの経験やスキル、自分に求められていることを考えるとお伝えしました。言い換えると「Will・Can・Must」で考えてみませんか?ということです。
Will:自分はなにがしたいのか
Can:自分はなにができるのか
Must:自分は何を求められているのか
この3つの観点でキャリアを捉えると、ぼんやりと考えていた自分の将来を、具体的なものとして考えられるようになるかもしれません。それが、あなたの「キャリア」ということになります。
転職活動においては、自分は何をやりたいのか、何ができるのか分からないので、とりあえず今までと同じような業界で同じような仕事であれば・・という方もいらっしゃいます。「キャリア」なんて考えたこともないし、今まで知る機会もなかった、知らなくても働いてこられた、という方も多いと思います。
「キャリア」とは、実は誰もが一度は考えたことがある将来のこと、です。そんなに難しい話ではありません。
ちょっと具体的にしてみたいな、と思ったら、自分のキャリアについて考えてみましょう。