2022/11/14ネクストキャリア ~I・Uターンの視点でヒントを得る~後編
前編では、「I・Uターンは地域を理解し、つながっていくこと」、「気になる土地でまずは体験」についてお伝えいたしました。
後編でも引き続き、I・Uターンと再就職活動の共通点にについてお話したいと思います。
ネクストキャリア ~I・Uターンの視点でヒントを得る~ 前編はこちら
メリット、デメリットを考える
数年前ですが、旅行で見た夕日の美しさに感動したことがきっかけで、ご家族で宮崎県にIターンされた方がいらっしゃいました。移住を決めるまでは様々な角度でメリット・デメリットを検討されました。どのような暮らし方を望むのかによって、お一人お一人にとってのメリット・デメリットも異なってきます。「移住コンシェルジュは自治体と移住者を繋ぐ役割で、最初は現実をつきつけず地域に興味を持ってもらい、徐々に現実を知ってもらうようにしています。」とのことです。
典型例として、コンシェルジュの方が、「移住を考えている皆さんは、意外に交通手段について考えていらっしゃらないのですよ。どこでも山手線や地下鉄があるという感覚なんです。地方では車がないとものすごく不便です。電車やバスが1,2時間に1本という場合もあります。」とおっしゃっていました。例え、夕日の美しさに魅かれても、これまでの日常で当たり前のことが、移住先では当たり前のことではないのです。
ただ、これをデメリットと捉えるのかは考え方次第です。便利な交通手段があれば、帰宅時間を気にせず残業することや、会社帰りにお付き合いで食事や飲み会に参加して睡眠不足の日々を暮らしている方もいらっしゃるかもしれません。
一方、地方では普段の行動範囲が限られていることが幸いして自分のために使える豊かな時間が増えるそうです。
やはり、多くの情報に触れて、様々な角度からメリット・デメリットを考えることはどのような生き方をしたいのかを考えるヒントになります。
≪再就職との共通点その3≫
再就職活動においても納得のできる決断ができるまでは、時には厳しい現実にも目を向けなくてはならないことがあります。それでも、目をそらさず勇気を出して、できる限り多くの情報収集をして様々な角度からご自分にとってのメリット・デメリットを検討することが必要です。
『孫ターン』・・・中・長期的に地域に貢献
最近は『孫ターン』という現象があるそうです。「田舎のおじいちゃん・おばあちゃんのところに遊びに行った子どもたちが成長後に移住してくることを『孫ターン』と言ってます。」とお聞きしました。『キラキラ体験』をさせてくれた大好きなおじいちゃん・おばあちゃんが暮らしている土地に自分も移住して貢献したい!と考える若者世代が増えていることを知りました。
世代を超えたI・Uターンが地域貢献につながっていることを伺い、なんだか明るい未来を感じることができました。目の前のことだけではなく、中・長期的な視点で地域への貢献を考えることができるのです。
≪再就職との共通点その4≫
共通点は中・長期的な視点です。再就職の場合も採用側からは2、3年後の貢献までをしっかりとイメージできていることが期待されています。中・長期的なキャリアの視点がご自身だけではなく企業の持続的な成長への貢献にもつながっていきます。そして、同じ職場で世代を超えてつながり、活躍することが大いに期待されているのです。
参考記事:世代を超えてつながる、ともに働く | キャリアカフェ
まとめ
いかがでしたか?I・Uターンと再就職、意外にも共通している点がありませんか?
新型コロナ禍を経験したことにより、『転職なき移住』、『ワーケーション』という働き方が注目されています。どのような場所でどのような生き方、働き方をしたいのかを見つめ直す良い機会が訪れたと考えることもできます。
移住も再就職活動と同じように、自分を知り、相手(土地柄)を知り、しっかりと情報収集をして、目的を明確にして、そして実際に体験し、さらに様々な角度で何度も検討し、決断するというような活動サイクルを回していくことになります。これまでの人生で積み重ねてきた経験・スキルは、移住先でも柔軟な考え方次第でご自分らしく発揮できるはずです。そして、地域に馴染み・人々とつながり、未来に向かって貢献していく。I・Uターンも再就職活動も同じことだと思いました。
このように視点を変えて考えてみることが、「ネクストキャリア」におけるご自分らしい生き方・働き方の新たな気づきや発見につながります。是非、キャリアコンサルタントからの意外な情報提供にも面白がって耳を傾けていただけると嬉しいです。