2022/08/08セカンドキャリアは公的機関で社会貢献!
セカンドキャリアは社会貢献したい!と、様々な公的機関でご活躍されている方がいらっしゃいます。民間企業でのご経験が長いと、公的機関や財団法人等の非営利団体で働くイメージはなかなか浮かんでこないと思います。今回は公的機関に納得のキャリアチェンジをされ、活き活きと楽しく仕事に取り組まれている方の体験談をインタビュー形式でご紹介致します。
今回インタビューさせて頂いた方は、再就職活動当時は59歳でした。
外資系IT企業のご出身で研究・開発および法人営業のご経験を積まれていた方です。
微力ながらでも、セカンドキャリアについて考えていらっしゃる皆様のお役に立つことができれば!と、本記事にさせていただくことをご快諾いただきました。この方の体験談を皆さまへのエールとしてお届けします。勇気を出して未知の世界にチャレンジするきっかけになれば幸いです。
公的機関入職までの道のり
◎公的機関を選択した理由を教えて下さい。
大学卒業から36年間、外資系民間企業に勤務していました。早期退職し再就職するにあたり、まもなく還暦を迎える年齢になって考えたのは、これまで外資系企業における活動の中であまりできていなかった日本社会への貢献を何らかの形で実現できるような職種を探してみようということでした。ただ、最初から公的機関に絞っていた訳ではなく、試行錯誤の上でのことです。具体的には公的機関以外にも、特許の先行調査業務や大学のURA、在日大使館における事業開発担当者等を候補として考えていました。
◎公的機関への活動準備として特に留意したことはありますか?
マンパワグループの担当コンサルタントの方との定期的な面談や数々の再就職者向けセミナーを利用して書類応募や面接の準備はしていましたが、公的機関も一般企業も大きな違いはないと思い特別な準備はしていませんでした。
実は、未知の世界の公的機関に対してあまりよい印象を持っていませんでした。採用については、一般公募はしていても、縁故採用や出来レースで決まるものと想像し、縁故もコネも無い自分には高いハードルで、採用される確率は非常に低いと思い込んでいました。
とはいえ、応募するからには書類の作成には時間を割き、担当コンサルタントの方にも第三者的な目で添削していただき、しっかりと準備しました。ただ面接は上記理由から「ダメ元」の気分で受けたので、逆に緊張もせず力が抜けてよかったのかもしません(笑)。
◎ご入職後、公的機関へのイメージはどのように変わりましたか?
入職して感じたことは、公的機関では採用に限らず様々な決定に際し、「透明度」が求められていることをひしひしと感じています。
◎公的機関の雇用形態は任期付きの契約社員が多いのですが、この点は気になりませんでしたか?
入職先は年度末更新の1年契約で最大4回更新です。世の中の現状はわからないのですが、一般企業であってもこの年齢になっての再就職となると、長期間にわたっての雇用保証はないものと思っています。一般企業に勤めるのであれば、雇用のリスクがあるので「ハイリスクハイリターン(給与面)」だと考えました。公的機関は契約更新できれば最長5年間は勤務でき、「細く長く」勤務できると楽観的に考えました。
◎現在の仕事内容を教えて下さい。
主に①プロジェクトの公募・採択に関わる業務、②採択したプロジェクトの進捗状況管理や評価に関わる業務に携わっています。カウンターパートとなるのは大学の先生やURA(リサーチ・アドミニストレーター)です。
◎入職後、公的機関と民間企業との違いに戸惑いや困ったことはありましたか?
長年、外資系企業に勤務していたこともあり、日本の企業文化に接する機会があまりありませんでした。外資系の企業文化とは両極端にあると思われる日本のお役所文化に馴染めるのかは不安でした。しかし実際に入職してみると、自身が想定していた範囲内で、大きな違和感はあまりありませんでした。私自身が技術者であり、周囲に技術系出身の方が多かったせいかもしれません。ビジネスマンとしての常識を持ち合わせていれば、企業文化やルールの違いはあまり気にせず、仕事に取り組めると感じています。
◎職場には民間企業からキャリアチャレンジした方はいらっしゃいますか?
私が所属する部署では前職はメーカー出身で様々な技術的バックグラウンドを持った方々が同僚として勤務しています。多種多様なメンバー構成です。同時期に入職した同年代の同僚も複数名おり、心強く思っています。
◎ライフ・ワークバランスはいかがですか?
働き方改革の影響もあるのかもしれませんが、残業はほとんどなく、以前と比べるワーク&ライフのバランスが取れるようになりました。
◎最後に今の仕事で嬉しいと感じることや遣り甲斐はどのようなことですか?
コロナ禍の最中の入職ということもあり、採択プロジェクトの担当者と直接お会いする機会は非常に少ないのですが、メールや電話でのやり取りを通じて、感謝の言葉をいただくと大きな達成感を感じます。また、担当しているプロジェクトの中に「10年先の社会を変えるプロジェクト」があります。実際に10年後には現在の仕事を継続していないと思いますが、その初期段階に微力ながら関与することができ、10年後にどうなっているのか、とても楽しみですし、期待しています。
まとめ
公的機関は、ミドル・シニア世代が年齢の壁を意識せずにセカンドキャリアの可能性を拡げることができる領域です。雇用形態、収入をはじめとして、どのような生き方・働き方をしたいのか、ご自分が心から望んでいることをしっかりと整理し検討した上で、方向性の幅を広げてみませんか?今回ご紹介した体験談だけではなく、様々なご経験をされた方々のお話は、方向性を検討する際にご参考にしていただけるはずです。せっかくの機会です。冒険するつもりでキャリアコンサルタントと一緒に未知の世界を覗いてみましょう!