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2022/08/01学び直しは年齢を重ねるほど有利?結晶性知能を生かしたスキルアップの始め方

07800066890.jpg社会の変化が一層激しくなっている今、「学び直し」の必要性を痛感している方も多いかもしれません。今後は人生100年時代を迎え、キャリアの現役時代がさらに延びていくからこそ、スキルのアップデートは間違いなく必要になります。しかし、なかには「今さら新しいことを学ぶのは遅いのではないか」と考え、なかなか一歩を踏み出せない方が多いのも事実です。

そこで今回は、年齢とともに輝きを増す能力「結晶性知能」や、今の時代に適した「学び直しの手法」について詳しく解説します。何歳からでも自信を持ってキャリアを再出発するために、本稿が一助となれば幸いです。

今、学び直しの重要性が叫ばれている

社会では今、時代の変化を受けて「学び直し」の重要性が叫ばれています。
本章では、学び直しに関する主なキーワードと日本の動向について解説します。

1)リスキリング ~デジタル化時代のスキルアップに向けて~

学び直しに関して、経済産業省の提唱しているキーワードに「リスキリング」があります。リスキリングとは、仕事や職場環境の大幅な変化に対応すべく、必要なスキルを習得することです。近年は各業界でDXが推進され、デジタル系のスキルを持つ人材が重宝されています。今後はますます定型業務がAIやデジタル技術に置き換わり、「日本の労働人口の約49%が機械によって代替可能になる(※)」という試算まで発表されているほどです。

リスキリングの目的は、こうしたデジタル化の動きのなか、人材が学び直しによって時代の変化に対応することです。学習内容は、ITAIといったデジタル分野に限りません。一人ひとりが「社会から必要とされるスキル」を柔軟に学び続け、価値を発揮し続けられる人材を目指すことこそ、リスキリングの主旨と言えます。

※参考:平成30年版 情報通信白書:第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長|総務省

2)リカレント教育 ~人生100年時代のキャリアを充実させるために~

リスキリングと同様、学び直しを意味する言葉に「リカレント教育」があります。リカレント教育とは、労働者が一度職場を離れ、教育機関やビジネススクールで仕事に必要なスキルを学び直すことです。厚生労働省が経済産業省や文部科学省と連携し、リカレント教育の充実に向けてプラットフォームや補助金の整備を進めています。

そもそも日本では従来、新卒一括採用と終身雇用制度が慣行されており、人材のキャリアが生涯一社で完結することも珍しくありませんでした。そのため、「学生として学ぶ期間」→「社会人として働く期間」→「仕事を引退して老後を過ごす期間」とキャリアステージが明確に分かれていたのです。

しかし、近年は終身雇用が崩壊しつつあるともいわれ、転職や再就職が当たり前になりました。新たな職業に就くにあたって、新たなスキルや知識を習得する必要が出てきています。加えて、社会の変化は目まぐるしく、新たなスキルが次々と求められている状況です。なおかつ、人生100年時代のなかでキャリアの現役時代が延びており、ひとつのスキルだけで長いキャリアを生き抜くことは難しくなっています。だからこそ、「社会人として働く期間」を迎えてからも、リカレント教育によって「新たなスキルを学び直す期間」を設ける必要があるのです。

現状では、学び直しが進んでいない

社会では学び直しの重要性が説かれていますが、労働者側にはどのように受け止められているのでしょうか。
ここでは、調査データを参照しつつ、学び直しにまつわる現状を紹介します。

1)自己啓発に取り組んでいる社会人は、「約3割」

厚生労働省の調査(※)によれば、令和元年度に自己啓発に取り組んだ労働者は、全体で「32.2%」でした。学び直しに取り組んでいる人が、約3割にとどまっているという結果です。一方で「向上させたい能力・スキルがある」と回答した割合は、労働者全体で「91.8%」と高い数字を記録しています。こうした調査の背景から、「学ぶ必要性はある程度感じているものの、何らかの理由で学べていない」という労働者側の葛藤が見て取れます。

※参考:令和2年度「能力開発基本調査」|厚生労働省(PDF)

2)原因は「今さら遅い」というネガティブな思い込み

学び直しが進んでいない原因は、いくつか考えられます。例えば、「仕事が忙しくてなかなかまとまった学習時間がとれない」「休日は家族との時間やリフレッシュに専念したい」「自己啓発にかける金銭的な余裕がない」などが挙げられるでしょう。

また、学び直しをためらっている方のなかには、「年齢をネックに感じている」という方も少なくありません。実際に先ほどの「能力開発基本調査」によれば、自己啓発に取り組んだ労働者の割合は、年齢が上がるほど減少します。2029歳では「39.5%」ですが、5059歳では「29.5%」、60歳以上になると「18.7%」まで下がるのが実情です。年齢とともに、学び直しの機会が減っている状況がうかがえます。記事をお読みの方のなかにも、「今の年齢から何かを学び直すのは遅いのではないか」という葛藤を抱えている方も多いのではないでしょうか。

年齢とともに輝きを増す「結晶性知能」とは?

一般的には「年齢を重ねると新たなことを学ぶのは難しい」と思われがちです。しかし、逆に年齢とともに向上する能力があるとしたら、どうでしょうか。ここでは、年齢に比例して強まる「結晶性知能」について解説します。

1)人間には2種類の知能がある

心理学者のホーンとキャッテルによれば、人間の知能は大きく「流動性知能」と「結晶性知能」の2種類に分かれます。「流動性知能」とは、新しい環境に適応するため、情報を処理・操作する知能のことです。例えば、図形を処理する能力、スピーディーに計算する能力、新しいアイデアを発想する直感力などが挙げられます。こうした流動性知能は10代後半~20代前半にピークを迎えたあと、加齢とともに緩やかに低下していくのが特徴です。

一方の「結晶性知能」とは、過去に蓄積した経験や知識を生かす知能のことを指します。例えば、理解力や洞察力、批評能力、言語能力、内省力、コミュニケーション能力などが代表的です。こうした結晶性知能は20歳以降も伸び続け、60歳でピークを迎えたあと、6070代でも20代に近い水準が維持されるといわれています。

2)結晶性知能は、学び直しの武器になる

知識や経験を生かし、それを仕事で生かす能力「結晶性知能」は、年齢を経るごとに強くなっていきます。つまり、人生の後半戦を迎えてから学び直しに取り組んでも、決して遅くはないのです。むしろ学び直しによって得た知識やスキルは、若年層の人材と比べた強みになり、新たなキャリアを切り開くための武器になるでしょう。

新たなキャリアに向けて活用したい「学び直しの手法」とは?

学び直しに取り組む際には、具体的にどのような方法を活用すればよいのでしょうか。
本章では、新たなキャリアに向けて活用したい主な学び直しの手法について紹介します。

1)オープンカレッジ

オープンカレッジとは、大学が一般向けに開講している授業のことをいいます。数日間で完結するものから半年~1年間通学するものまであり、学びたい期間に応じて好きな講座を受講することが可能です。授業の内容としては、歴史や芸術といったリベラルアーツから、語学やITリテラシーなどのビジネススキルまでさまざまで、幅広い教養を身につけられます。年齢を問わず受講できるため、多様な年代の人材と交流を持てるのも特徴です。

2)ビジネススクール

ビジネススクールとは、ビジネススキルの習得に特化した教育機関のことです。MBA(経営学修士)の学位を取得できる経営大学院から、1日~数日で完結する短期講座までスクールの内容は多岐にわたります。ビジネススクールの特徴は、実際の業務で生かせる知識とスキルを身につけられる点です。座学でマネジメントや財務について学んだり、ワークショップを通じて多様な価値観を育んだりと、次のキャリアに役立つ力を習得できます。

3)オンライン講座・eラーニング

近年はさまざまな大学や民間企業、自治体が"オンライン完結型"の講座を運営しています。こうしたオンライン講座やeラーニングは、PCやタブレットがあれば受講できるため、場所を選ばず学び直しできるのが特徴です。内容としても、資産運用からデータサイエンス、プログラミング、資格取得に役立つ知識まで幅広く学べます。講座を探すためのプラットフォームも充実しているため、自分の関心に合ったスキルを習得できるでしょう。

4)セカンドキャリア研修

セカンドキャリア研修とは、官公庁や各自治体が運営している、ミドル・シニア向けの研修のことです。例えば、面接テクニックやPCスキル、老後のマネープランなどを学んだり、ミドル・シニア層の採用に積極的な企業の社内見学をしたりできます。ほかのスクールと比べると、再就職に直結しているのが特徴です。毎年定員を決めて受講者を募っている研修もあるため、気になった方はぜひ各自治体のホームページをチェックしてみてください。

5)プロボノ

プロボノとは、自身の経験を生かして取り組むボランティア活動のことです。例えば、自治体と連携して地域復興に携わったり、NGOの一員として途上国のインフラ整備を支援したりします。プロボノではさまざまな職歴を持つ仲間と一緒にプロジェクトに参加できるため、多様な価値観を育めるのが特徴です。また、「自分の経験が人の役に立っている」という実感を味わえるため、仕事のやりがいを再発見できる貴重な機会になるでしょう。

学び直しの方向性に迷ったら、キャリアコンサルタントに相談を

時代が刻々と変化している今、学び直しに取り組むことはもはや必須と言えます。学び直しで積極的に自分の"強み"を増やすことで、企業から求められ続ける人材を目指せるでしょう。

しかし、いきなり「学び直しましょう」と言われても、何から始めればよいのか迷う方も多いかもしれません。

だからこそ、学び直しの方向性や方法に迷った際には、私たち再就職支援会社にご相談いただきたいのです。ライトマネジメントでは、キャリアコンサルタントがあなたの経歴や強み、キャリアビジョンなどを丁寧にヒアリングし、今後のキャリアを一緒に考えます。次のキャリアに向けた「学び直し戦略」を、ぜひ私たちと一緒にスタートさせてみませんか。

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