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2022/07/11笑顔が苦手な人へ ー「練習」の先にある心からの笑顔

面接には笑顔が大切です。

しかし、就職活動をされている方の中には、笑顔が苦手な方もたくさんいらっしゃいます。「笑おうとしても、なんだか引きつってしまうんです。」とおっしゃる方や、「普通にしていても、機嫌が悪いの?って聞かれるんです。」という方もいらっしゃいます。

では、どうすれば心からの笑顔になれるのでしょうか。

笑顔が苦手だけれど、一生懸命練習して内定を獲得した活動者の方のエピソードをご紹介します。

不採用になった会社へ、もう一度応募

3年前に就職活動をして入社した会社が事業を終了することになってしまい、再び活動をすることになった方の事例です。

日本酒がとても好きで、いろいろな蔵元に見学に行くことや、利き酒を趣味にされていました。退職された会社から内定をいただく前に、大好きな日本酒を販売する会社の販売員に応募されたのですが、残念ながら面接で不採用となりました。

最初はとても落ち込んだそうですが、気持ちを切り替えて再就職活動を続けていたところ、冷静な判断力とパソコンのスキルを認めていただき、希望していた日本酒販売ではないのですが、工場の資材管理係として採用されることになりました。そこでは正確な作業を心がけて一生懸命に仕事をしていらっしゃいましたが、心のどこかで日本酒に関わる仕事をしたいという思いは持ち続けていらしたそうです。今回こちらの工場が事業終了となり、再就職活動で求人検索をしていると、3年前に不採用になった会社の販売員の求人を見つけました。ずっとやりたいと思っていた仕事です。

「一度不採用になっている会社にはもう応募できないでしょうか?」とご相談を受けましたので、「3年経っていますし、状況も変わっていますので、ダメもとでチャレンジしてみましょう」とアドバイスさせて頂きました。すぐに応募され、今回はあっという間に面接が決まりました。

採用側の企業も採用要件が変わったのかもしれませんし、この方の3年間のご経験で何か活かせるものがあったのかもしれません。無事に書類選考が通過したので、今回こそこの企業に就職したいと面接対策を入念に行いました。

面接には練習が必要

面接対策を一緒に考えていた時に、私は「以前の面接では笑顔を意識しましたか?」と質問しました。

個別のコンサルティングの時から、あまり感情を出さず、笑顔が少ない方かな、という印象があったからです。すると、「いいえ、ほとんど笑っていないです。笑うことは苦手です。引きつってしまうんです。」というご回答でした。以前勤務されていた「資材管理係」の仕事では、正確に管理することが重要で、そこまで感情を出すことや笑顔でいることなどは重視されなかったのではないかと思います。

しかし、今回応募する「販売員」という職種は笑顔がとても大切です。特に面接では、そこが採用のポイントになると思い、「これから一緒に笑顔の練習をしてみましょう。」とご提案しました。「ここで練習するんですか?」と、戸惑っていらっしゃいましたが、覚悟を決められたようで、その場で何回も練習しました。最初はぎこちなかったのですが、鏡を見ながら繰り返し口角を上げていらっしゃいました。少しずつですが、だんだんと自然な笑顔になっていきました。そして、それから面接までの間、毎日何時間も鏡の前で練習をされたそうです。

面接後にお電話で面接の様子をお伺いしたところ、「少し引きつってしまったけれど、自分の精一杯の笑顔で答えることができました!」という弾んだ声を聞くことができました。「もし不採用だったとしても、精一杯頑張ったので満足です。」とお話されていていましたが、結果は見事に内定を獲得することができました。

最初は形からでも大丈夫!

それからまた3年が経ちました。何気なくテレビを見ていたところ、その方が、日本酒販売店で利き酒についてお客様にしっかりと説明をされている様子を拝見しました。自信を持って、輝くような笑顔で接客する姿を見て、私はとても嬉しくなりました。

笑顔が苦手な方は、まず鏡の前で練習してみましょう!最初は形からでも、だんだん気持ちがついてくるものです。そしていつしか心からの笑顔に変わっていきます。

その笑顔が新しい出逢いにつながることを信じて、一緒に頑張りましょう!

キャリアコンサルタント 池上

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