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2021/10/21自分らしく働くために

希望の条件通りの仕事に出会えない時、時だけが過ぎてしまったことはありませんか?

私は転職活動・再就職活動の初期面談の際に、まず「優先順位を3つ考えてみてください」とお伝えするようにしています。やりがい、職場環境、年収、通勤距離など、人それぞれにどうしても譲れない条件をお持ちだと思います。希望にぴったりとくる求人がない時に何かを妥協して仕事を選んだ場合、自分の中で納得感は得られないことがあります。納得感を得るためには、自分の選んだ道で、これからの人生のストーリーを自分で描くことが大切です。あなたの選んだ道が自分の思う未来に向かって進んでいると感じることがとても重要です。

昨今は「多様な働き方」という言葉をよく耳にします。ひとつの会社に留まることなく、副業、パラレルワーク、フリーランス、プロボノなど様々な働き方を組み合わせて働く人が増えてきました。なかなか自分の思った通りの仕事が決まらないという時、自分のやりたいことを軸にして能動的に働く方法をポジティブに考えてみてはいかがでしょうか。社会の変化と共にジョブ型雇用なども注目されはじめ、採用や雇用も大きく変わってきています。今後はますます自分にできることを明確にし、新たな場所で必要とされる人材になれるように自分の軸を持って働くことが大切になっています。

「まずは環境に身を置く」

しかし、実際に仕事を探すとなるとこれまでの経験を生かした仕事がいいのか、新たな分野での仕事がいいのか、どこからどうやって探したら良いのか迷われてしまうかもしれません。以前キャリアコンサルタントの講座を受けていた時、講師から興味深い話を聞きました。大学のキャリアセンターで仕事をするために、あることをした方のエピソードです。

その方は学生のキャリア支援をしたいという強い思いを持っていたのですが、大学のキャリアセンターでのキャリア支援の仕事はなかなか空きが出ず、その職に就くことは倍率が高く難しいという状況がありました。そこで毎日全国の私立国立を問わず非常勤職員の採用募集をチェック・応募し、ある大学の教務課に職を得ることができました。望んでいた仕事内容ではないけれど、同じ環境の中で働くことを選んだのです。自分に与えられた仕事を真摯に取り組み、数年後、上司と雑談をしていた際に、「自分はキャリア支援がしたいのだ」ということを伝えられました。近くで働きぶりをみていた上司は、学内のキャリアセンターでキャリアコンサルタント職の募集が出た時に推薦をしてくれ、晴れて念願のキャリア支援業務に携わることが出来たというお話でした。熱意を持ってタイミングを待ちながら、やりたいことのある環境に身を置くことも大切です。このエピソードは教育心理学者クランボルツの【計画的偶発性理論】*をまさに体現した事例でした。

*参照:計画的偶発性理論とは?再就職を考えた際の計画的偶発性理論の生かし方
https://mpg.rightmanagement.jp/careercafe/career_academy/room07.html (記事へリンク)

「できること・求められることで仕事をしてみる」

やってみたことでそこから見えてくることもあります。数年前にお会いした方のエピソードで、若い頃に漫画家を目指して漫画家のアシスタントをされていた方の転職のお話です。

その方は35歳の時、漫画家の先生が「漫画を描きたくない」と思って漫画家を辞めてしまったら、自分は職を失ってしまうと思い、65歳まで働ける仕事を探そうと決意されたそうです。それから転職サイトに登録して手当たり次第エントリーし、最終的に決めたのは地域に根ざしたフリーペーパーを発行している会社での編集の仕事でした。その仕事を選んだ決め手は、「ものをつくる仕事に携わりたい」という思いでした。「望んでいたかたちではないけれど、表現するということは一緒なのでとてもやりがいを感じている、これまでやってきたことが繋がったという感じがした。」とおっしゃっていたのが印象的でした。入社後、日々の仕事をこなしていく中で、編集者としてもライターとしても技術を上げていきたいという目標を持つことができたそうです。

まずは自分が一番に望む業務ではないけれど、自分のスキルが活かせることで仕事をはじめてみると、新たに目標ややりがいが見えてくることもあります。また、フルタイムで製造業務を希望していた70代のご相談者の方が再就職活動を始められて、なかなか希望通りの仕事が決まらない状況がありました。そこで、何を優先したいのかを改めて聞いてみました。毎日仕事に行ける場所があって生活のリズムを整えることを優先したいとおっしゃいました。そしてその方は、業務にこだわり過ぎず、マンションの管理清掃という仕事に就職を決められました。

次の仕事を再スタートする際に、優先順位というものを今一度考えてみて、どうしたら生き生きとした自分と出会えるのかを考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

自分らしく働くには自分の軸を持つ必要があります。これからは、自分ができることを魅力的に見せ、仕事を引き寄せることができる時代でもあります。
ストーリーは何通りもあります。まずは視野を広げて、一歩踏み出し、今の自分が大切にしたいものは何かを考えてみてください。

キャリアコンサルタント 渡引

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