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2021/08/20ジョハリの窓とは?再就職に効果を発揮するジョハリの窓の活用ポイントを解説

再就職を成功させるために考えるべきことはいくつかあります。そのなかでも重要なもののひとつが、「自分がどういった人間であるか」、いわゆる自己理解です。自分のことは当然のように理解していると思われるかもしれませんが、実は自分では気づけていない点も少なくありません。そこで、今回は自己理解を深めるための自己分析を行う上で効果を発揮する、「ジョハリの窓」について、その概要や方法、再就職に生かすためのポイントをお伝えします。

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ジョハリの窓とは?

自己分析を行うためには様々な方法がありますが、ジョハリの窓もそのひとつです。もともとはサンフランシスコ州立大学の心理学者であるジョセフ・ルフト氏とハリー・インガム氏が1955年に共同で発表した、「対人関係における気づきのグラフモデル」がもとになっています。のちに発表した2人の名前を合わせ、「ジョハリの窓」と呼ばれるようになったものです。

ジョハリの窓は、複数人で行う自己分析方法です。自分から見た自分と他人から見た自分を4つの窓として分類し、自分の性格や特徴、まだ気づけていない才能を見つけ出していくもので、具体的には次のとおりです。

  • 開放の窓

自分が知っている自分の性格や特徴と、他人が知っている自分の性格や特徴が一致している部分です。他人とコミュニケーションを取っているときに出るものであるため、自分の最もパブリックな部分です。

  • 盲点の窓

自分では気づいていないものの、つい出てしまう癖や思考、話し方など、他人から見ると印象に残る性格や特徴です。

  • 秘密の窓

自分だけが知っていて、他人には気づかれていない、もしくは知られていない自分の性格や特徴です。コンプレックスやトラウマなど自分がマイナスと感じる部分や、人には見せないパーソナルな部分が多くなります。

  • 未知の窓

自分も他人も気づいていない自分の性格や特徴です。現時点ではまだ表出していないものの、将来的にほかの3つの窓に入るかもしれない性格や才能などが当てはまります。

ジョハリの窓が再就職時に効果を発揮する理由

そもそも、ビジネスの現場においてジョハリの窓は、社員同士のコミュニケーション活性化を目的に社員研修や社員教育の場で活用されるケースがよくあります。お互いをしっかりと観察することで今まで以上によく知り合えるようになるうえ、互いの認識のズレが解消するといったメリットがあります。

しかし、これはあくまでも企業側から見た、ジョハリの窓を活用する目的です。社員側から見た場合、再就職を検討する際に大きなヒントになるのです。。その理由として考えられるのは次のとおりです。

  • 見えにくくなっていた本当の自分に気づける

自己分析は、まだ自己の確立ができていない若い社員がやるものといったイメージがあるのではないでしょうか。もちろん、その考えは間違いではありませんが、すでに何十年も働いているからといって自己分析がしっかりできているかといえば必ずしもそうではありません。

確かに、これまでの仕事をするための自分の特性や才能に関しては熟知しているでしょう。しかし、再就職となれば、あらためてこれまでのキャリアや仕事の振り返りが必要になります。その際、仕事以外の部分でも自分自身について深く考えなければなりません。

ただ、長年同じ職場で働いていると、その仕事を離れて自分の強みや弱みを考えた際、案外何も思いつかないケースがあります。再就職では、必ずしも現職とまったく同じ環境で同じ仕事ができるわけではありません。そのため、新たな職場にすぐに順応するためにも、自己分析を行い自分がどういった人間であるかを理解しておく必要があるのです。

  • 再就職の選択肢を広げられる

年齢や職種にもよりますが、年齢が高くなればなるほど、希望の業務内容や条件と企業側のニーズがマッチせず、再就職が難航するケースが多く見られます。そのなかで、再就職の選択肢をこれまでの経験と同じ仕事だけに絞ればその可能性はさらに低くなってしまうでしょう。

もちろん、同じ仕事でさらにキャリアアップが実現すればよいかもしれません。しかし、選択肢はできるだけ多い方が再就職が成功する確率もアップします。そのために必要なのがジョハリの窓であり、特に自分では気づけていない才能を知ることです。

例えば、これまで販売の仕事をしてきたものの、他人からの評価では実はマーケティングや分析といったバックオフィスの仕事の方が向いていると見られている場合があります。これにより、販売だけではなくバックオフィスの仕事という選択肢も考えられるようになります。

また、自分では苦手でコンプレックスに感じていた性格や特徴が、実は他人から見ればほかにはない才能だと捉えられている場合もあるでしょう。ジョハリの窓により、気づけなかった特徴や才能に気づけることは、再就職を検討する際に大きな効果を発揮します。

ジョハリの窓のやり方

ジョハリの窓を実践する方法を紹介します。最低自分以外に1人いれば可能ですが、自分が気づけない自分の特徴や性格を知るためには、5人から10人程度で行うと効果が高まるでしょう。具体的な手順は次のとおりです。

  1. 必要なものを用意する

ジョハリの窓を実施する際に必要なものは、紙と筆記具だけです。紙(A)は参加者に各1枚ずつ用意し、それを4分割してそれぞれの特徴や性格を記入できるようにします。左上が、「開放の窓」。右上が、「盲点の窓」。左下が、「秘密の窓」。そして右下が、「未知の窓」です。

また、この用紙とは別に、「明るい」「真面目」「積極的」「リーダーシップがある」など、人を評価する際の一般的な項目を30~50程度書き出した紙(B)をひとりにつき参加人数分(5人参加している場合は、各自に5枚なので全部で25枚)を用意します。

  1. (B)に書かれた項目で、自分と参加者それぞれの特徴や性格に当てはまるものにチェックを入れる

30~50個の特徴や性格を書き出した紙(B)を使い、まずは自分が考える自分の特徴や性格に当てはまる項目にチェックを入れます。続いて参加者それぞれの特徴、性格に当てはまる項目にチェックを入れ、最後に自分に当ててチェックを入れてもらったものを回収します。他の参加者についてチェックしたものをそれぞれに渡す方法でも可能です。

  1. (A)に自分がチェックしたものと参加者がチェックしたものを書き入れる

4分割した紙(A)に次のような形で記載していきます。

開放の窓

自分がチェックしたものと参加者がチェックしたもので一致している項目

盲点の窓

自分はチェックしていないが参加者がチェックしている項目

秘密の窓

自分がチェックしていて参加者はチェックしていない項目

未知の窓

自分も参加者もチェックしていない項目

ジョハリの窓を実施した結果から再就職へ生かすためのポイント

再就職をするうえで、ジョハリの窓の結果から得たことを生かすポイントは2点。開放の窓を大きくすること。そして、未知の窓に積極的にアプローチすることです。

  • 開放の窓を大きくする

再就職先では、一から人間関係を構築していかなくてはなりません。場合によっては年下の社員が上司になるケースも少なくないでしょう。そこで重要なポイントは、年齢にかかわらず相手の話を素直に受け入れることです。

ジョハリの窓では、自分本位な人であればあるほど開放の窓が小さくなり、盲点の窓が大きくなる傾向があります。自分本位な人は周囲の意見を聞き入れようとしないケースが多いからです。そのため、ジョハリの窓の結果で盲点の窓に記載する項目が多かった場合は、自分本位な部分があることに気づき、周囲の意見に耳を傾けて開放の窓に記載する項目が増えるようにしましょう。

  • 秘密の窓の項目を減らす

秘密の窓に記載されている項目を減らすのも重要です。周囲に気づかれていない自分が多いのは、コミュニケーションが取れていない可能性があります。新たな職場、環境では、今以上に周囲とのコミュニケーションがしっかりと取れないと仕事がうまく進みません。なるべく秘密の窓を開示し、開放の窓を多くする努力をしていきましょう。

  • 未知の窓に積極的にアプローチする

未知の窓に記載された項目はこれまで意識してこなかった部分です。そのため、この部分に積極的にアプローチすれば、自分の新たな可能性に気づけるかもしれません。その結果、再就職先の選択肢が増えるといった期待もできます。

未知ということは、「苦手」「嫌悪」といったイメージがあるから避けていたわけではないため、隠された才能が眠っている可能性も高いと言えるでしょう。

周囲から見える自分を知ることが本当の自分を知る大きなチャンスになる

再就職を成功させるには、これまでを振り返り自分の強みや弱みを把握し、自己理解をすることが大切です。これまでの経験を生かせればよいと思われるかもしれませんが、新たな環境では、経験だけでは周囲に溶け込めずうまく生かせないということもあるのです。。

ジョハリの窓は、複数人の協力を必要とはしますが、比較的簡単に周囲から見た自分を知れる効果的な方法です。再就職を考えようとしている方、再就職を進めようとしている方は、周囲から見える本当の自分を見つけるために、ぜひジョハリの窓を試してみてはいかがでしょうか。

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