2021/02/10キャリアカウンセリングの効果とは?活用できる場所やそれぞれの特徴も紹介!
転職や再就職を機に、キャリアカウンセリングの活用を検討されている方も多いかもしれません。ただ、「キャリアカウンセリングをどこで受けられるか」や「どんな相談に乗ってもらえるのか」については、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、キャリアカウンセリングの内容や効果について分かりやすく紹介します。キャリアカウンセリングを利用できる場所についても解説しますので、参考にしてみてください。
そもそもキャリアカウンセリングとは?
◆キャリアカウンセリングとは?
キャリアカウンセリングとは、個人のキャリア選択を支援するために行われる、マンツーマン形式での面談です。「自分に適性の高い仕事は何か」「面接では何をアピールすればよいか」などについてキャリアカウンセラーから助言をもらい、自己理解を深めながら次に進むべきキャリアを決めていきます。また、職場の人間関係や家庭問題といった人生全般の悩みも相談に乗ってもらうことで、前向きに新しいキャリアを選択することが可能です。
◆キャリアカウンセラーとは?
キャリアカウンセラーとは、職業選択やキャリア開発に関する面談・助言を行う専門家のことを言います。キャリアカウンセラーは、国家資格の「キャリアコンサルタント」(※)や民間資格の「CDA資格」「産業カウンセラー」など、専門的な資格を有していることが多いです。心理学やメンタルヘルス、転職市場や労務に関する知識を豊富に持っており、まさに求職者の適性・適職を見つけ出す専門家だと言えます。キャリアカウンセリングでは、このように信頼できる専門家に相談に乗ってもらい、適切なアドバイスをもらえる点が大きなメリットです。
※「キャリアコンサルタント」は国家資格による独占名称です。
キャリアカウンセリングが注目されている背景とは?
それでは、今なぜキャリアカウンセリングが注目されているのでしょうか。
時代背景も踏まえて、大きく2つの観点から解説します。
(1)雇用のあり方が変わりつつあるから
日本では雇用のあり方が変化し、職業選択の仕方も大きく変わってきています。というのも、終身雇用が当たり前だった時代は、その企業のなかでどう昇進・昇格していくかが、キャリア開発の本題でした。なかば会社主導でキャリアを決めてもらっていた時代です。ただ、今は先行き不透明な経済情勢もあって、終身雇用制度は崩れつつあります。そのため、従業員の立場から見れば、ひとつの会社の中だけにとらわれないキャリア選択が必要になってきました。人材一人ひとりが、自分の判断で自律的にキャリアを選択しなければいけない時代とも言えます。
そこで、自律的な職業選択をあと押ししてもらえる場として、キャリアカウンセリングが注目を集めているのです。
(2)キャリアの選択肢が多様化しているから
最近では雇用制度が変わるのと同時に、働き方も多様化しています。例えば、在宅勤務やテレワークのような勤務スタイルが容認されるようになったり、時短勤務やフルフレックス制度などの柔軟な働き方が導入されたりしています。また、仕事に対する価値観も「ワーク・ライフ・バランスを重視したい」「地方に移住して働きたい」など多種多様です。こうした豊富な選択肢のなかから自分に合ったキャリアを選び取るには、客観的な視点も必要になります。そこで、専門家に意志決定を支援してもらえるキャリアカウンセリングが活用されているのです。
キャリアカウンセリングを受けられる場所とは?
キャリアカウンセリングを受けられる場所は、実はいくつもあります。
今回は4つの代表的な場所について、それぞれの特徴も合わせて紹介します。
(1)転職・再就職の支援会社
代表的な場所のひとつが、人材紹介や再就職支援などの人材会社です。人材会社では、キャリアカウンセリングを通じて求職者の個性や強み、仕事への価値観を見極めたうえで、より適性の高い仕事を紹介しています。最初に求職者に自分自身の理解を促しておくことで、入社後のミスマッチを軽減させることも可能です。転職・再就職の成功をゴールに見据えた面談なので、求職者としては早期に適職と出会いたい際に活用したいサービスです。
※「再就職支援会社」について詳しく知りたい方は、ぜひ≪【求職者向け】再就職支援会社とは?活用メリットや会社選びのポイントを紹介!≫もご一読ください。
(2)自社内のキャリア相談窓口
企業によっては、自社内にキャリア相談窓口を設置し、人事担当や常駐のキャリアカウンセラーがキャリアカウンセリングを行っているケースも多いです。目的は従業員の精神的なケアや、人材配置の適正化、能力開発の促進などがあります。従業員としては、将来への不安や人間関係の悩み、転職意向など、身近な上司にはなかなか話せないことも相談できます。親身な助言をもらうことで、再び仕事へ前向きに取り組めるようになるでしょう。
(3)公的な職業紹介所
ハローワークや東京しごとセンターなど、国・自治体が運営する職業紹介所でも、キャリアカウンセリングが実施されています。若者や中高年層、障がいがある方、引きこもりで悩む方など、さまざまな方を対象に相談に乗っているのも特徴です。また、キャリアカウンセリングと職業訓練がセットになっているケースがほとんどです。そのため利用者としては、仕事選びの前に能力開発を図り、自信をつけたい場合に利用すると効果的でしょう。
(4)個人のキャリアカウンセラー
カウンセラー個人が、事務所を設けてキャリアカウンセリングを行っていることもあります。(1)~(3)とは異なりキャリアカウンセリング単体でサービスを提供しているため、有料であることが多いです。利用者から見た特徴としては、職業のあっせんが目的ではないので、あくまで中立的な立場でカウンセリングしてもらえる点があります。そのため、今後の生き方について広く相談に乗ってもらい、仕事探しに活かしたい場合には有効なサービスです。
キャリアカウンセリングのメリット・効果とは?
キャリアカウンセリングを受けることによって、どのような効果を得られるのでしょうか。
ここでは、キャリアカウンセリングの活用メリットについて大きく5つ紹介します。
(1)精神的な安心を得られる
キャリアカウンセリングは、転職や再就職を検討しているタイミングで利用する人が多いです。そのため、現在の職場への不満や、退職後の生活への不安などを抱え、自分に対して否定的になってしまっていることも珍しくありません。そこで、中立的な立場であるキャリアカウンセラーに相談に乗ってもらい、不安を聞いてもらうだけでも心の支えになるものです。精神的な不安を和らげてもらうことで、次のキャリアにも進みやすくなります。
(2)深い自己理解につながる
適性の高い仕事を見つけるためには、客観的に自分のことを理解しておく必要があります。そのため、キャリアカウンセラーという第三者の視点を通して、自分の能力や適性を知ることができるのは大きなメリットです。実際、キャリアカウンセリングによって思いがけない強みや、自分の大切にしている価値観が見つかることも少なくありません。キャリアカウンセリングでは、過去の経験・培ったスキルを棚卸しすることで、それらを活かせるようなキャリアが分かるようになります。そのため、より自分に合った仕事に就けるようになるでしょう。
(3)職種・業界の理解が進む
転職・再就職を成功させるには、転職市場や職種・業界に関する理解が欠かせません。その点、キャリアカウンセリングでは、世の中にある仕事の種類、各職種に求められるスキルや資格、業界構造に関する知識なども教えてもらえます。また、各職種を選んだときに想定されるキャリアアップのルートも教示してもらえるでしょう。より多くの職種・業界を知ることで、仕事選びの選択肢を増やし、自分に合う仕事を見つけやすくなります。
(4)面接対策や履歴書の添削をしてもらえる
企業に応募するときには、うまく自己PRできる人材の方が、当然ながら選考では有利になります。そこでキャリアカウンセリングでは、カウンセラーに履歴書の作成や面接対策までサポートしてもらえることが多いです。例えば、志望動機や経歴を履歴書でどのように書けば魅力が伝わるかを、企業視点で理解できます。また、面接本番を想定してロールプレイングすることで、マナーや話し方、質問への受け答えも身につけることが可能です。自分の魅力をより上手に伝えられるようになるので、自信を持って各企業の選考に臨むことができるでしょう。
(5)トータルな人生設計を立てられる
キャリアカウンセリングは、単なる職業のマッチングが目的ではありません。この先の長いキャリアを想定して、カウンセラーから人生全般に関する意見をもらえることが多いです。例えば、身につけた方がよいスキル・資格などを教えてもらい、能力開発・自己啓発につなげることができます。また、新しい職場での人間関係の築き方について助言をもらい、入社後の働き方に活かすことも可能です。老後を見据えてファイナンシャルプランを立ててもらえるケース(※)もあります。広い視点で人生設計を支えてもらえることも、大きな魅力です。
まとめ
転職や再就職において、自分ひとりではなかなか次のキャリアを選択できないこともあるでしょう。その際、第三者による客観的な「気づき」を与えてもらえるキャリアカウンセリングは、非常に効果的です。キャリア選びに迷った際には、人材サービスや自社内でのキャリアカウンセリングをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。