2022/06/20「実際に求人企業へ行ってみる」ことの重要性 ―会社を知る、そして自分を知ってもらうということ
就職活動中の方が、じっと求人票を見つめています。応募されるかどうか悩んでいらっしゃるようです。
しかし、求人票やホームページを見るだけでは、これ以上の情報は入ってきません。その会社に行って、話を聞いたり、雰囲気を感じたりしなければわからないことがたくさんあります。自分の目で見て、感じることが大切です。そして、自分のことも書類だけでは十分に伝わりません。実際に面接官や採用ご担当者に会うことで「自分の良さ」を知ってもらうことができるのです。まずは「実際に求人企業へ行ってみる」ことがとても大切です。
活動中の方のエピソードを交えて、「会社見学」や「面接」の重要性をお伝えしたいと思います。
応募の前に会社見学に行ったことで「若さ」をアピールできた!
事務職のご経験が豊富にあった50代後半の活動中の方が、以前から興味のあった「倉庫管理」の求人を検討されていました。
会社見学ができるということなので申し込んだところ、電話口で「えー、50代後半ですか~」と暗い口調で言われたそうです。
すっかり落ち込まれて、「行くのを止めようかな」とご相談頂きました。「ご経験のない職種ですし、どのような仕事内容かを確認してくるつもりで行ってみませんか?」とご提案したところ、しぶしぶですが見学に行かれることになりました。当日、緊張して会社訪問したところ、ご案内頂いた方の第一声が「お聞きしていたご年齢に見えませんね。すごくお若いですね!」だったそうです。
仕事内容の説明を受けるうちに、自分でもなんとかやれるのではないかと手応えを感じたそうです。何よりも会社の皆が良い方ばかりで、ここでぜひ働きたいと強く思われたそうです。帰り際に「応募をお待ちしています」と言われたことも自信に繋がり、すぐに応募したところ、とんとん拍子で採用決定となりました。もしも、見学に行かずに応募していたら、「自分の良さ」を知ってもらえないまま、書類選考を通過できなかったかもしれません。実際に会社訪問することで、「年齢のイメージよりも若い自分」をアピールし、未経験の仕事内容にも対応できるとの自信を持つことができました。
面接で確認しなかったために1か月で退職
別の事例ですが、半導体の製造工場に勤務されていた30代後半の方が、希望していた金属を加工する工場への転職が決まり、喜んで再就職されました。しかし、予想に反して入社後わずか1か月で退職してしまいました。
理由は、同じ製造業でも「会社ごとに求められるスキル異なっていた」ということでした。前職では装置操作のスピードが求められていましたが、新しい職場では、加工の技術が求められるという違いがあったのです。マニュアル通りに正確に機械を操作することには自信がありましたが、あまり手先が器用ではなかったため、なかなか加工の技術が上達しないことに落ち込んでしまい、すぐに退職することになりました。
面接でもっと仕事内容について確認したり、工場を見学したりしていれば、自分には合わないということがわかったかもしれません。もちろん、実際に入社して、仕事をしてみなければわからないこともたくさんあります。しかし、少しでもミスマッチを防ぎ、新たな職場で活躍するためには、事前に様々なことを確認することがとても重要です。
まず応募して企業を確認
どちらの事例からも、実際に求人企業に行ってみることの大切さをおわかりいただけると思います。しかし、「会社を見せてください、職場見学をさせてください」といきなり受付に行っても、普通は通してはいただけません。それでは、どのようにすれば会社訪問ができるのでしょうか。
応募前に職場見学ができる会社があれば、すぐに申し込みましょう。しかし、ほとんどの会社は面接選考に進むことが前提となります。残念ながら、どのように経験豊富で優秀な人材であっても、企業の求める人物像にマッチしていないと書類選考を通過できないこともあります。まずは、応募してみなければ、書類が通過するかどうかもわからないのです。少しでも興味のある求人には積極的に応募してみましょう。そして面接に進めたら、しっかり見て、聞いて、ご自分が働くことができる職場なのかを確認してきましょう。
面接は「企業に選ばれる場所」であると同時に、「自分が企業を選ぶ場所」でもあります。求人票を見つめているだけでは何もわかりません。悩むのは内定を得て、条件を提示されてからで大丈夫です。まず一歩を踏み出しましょう!