2021/09/09再就職活動で大切なこと・・・「気持ちを整える」その方法と効果とは~前編~
活動中の皆さまから、様々なお気持ちをお伺いします。特に活動初期には、不本意な退職へのショック、怒り、悲しみ、不安や焦り、あるいは、新たなチャレンジへのワクワクするような期待感、まだまだ頑張りたいとう前向きさ等々。喜怒哀楽をはじめとして気持ち(感情)は自分らしく生きていく原動力になります。一方、過度にネガティブな気持ち、あるいは何故かポジティブ過ぎる気持ちに大きく揺り動かされてしまうと、自分らしく考えること、前向きに行動・判断することが難しくなり、立ちすくんでしまうこともあるかもしれません。しかし、上手に「気持ちを整える」ことができれば、活動中に気持ちが揺れることがあっても、ご自分ならではの持ち味を発揮しながら、活動を継続していただけます。
本コラムでは、再就職活動で大切な「気持ちを整える」 こと、その方法と効果ついて、前編・後編にわたりお伝えしてまいります。せっかくの機会です。「気持ちを整える」ことによって、ご自分らしい「生き方・働き方」を前向きに考え、新たな一歩を踏み出すことをご一緒に始めてみませんか?
「気持ちを整える」には・・・
今、ご自身の胸中はいかがでしょうか?言葉にして誰かにお伝えになったことはありますか?
「いい大人なんだから、不安な気持ちや悩みは自分で解決するもの。」と、お一人で思い込んでいませんか?あるいは、「なんとなくモヤモヤ感があるけれど、それが何なのかよくわからない。」という方もいらっしゃるかもしれません。このような一言では表現できない胸中をそのまま、まずは私たちキャリアコンサルタントにお伝え下さい。文字、会話、イラスト等どのような伝え方でも大丈夫です。感じていることを「思い浮かべる」、「表現する」、「伝えること」が第一歩です。ポジティブなこと、ネガティブなこと、どのような小さなことでも気づいたことに蓋をせず、全部出してみましょう。それだけでも、「気持ちや考えが整理できました。」という方もいらっしゃいます。
今の気持ちを全部出してみても、伝えてみても、やはり迷子になった気分から抜け出せない場合もあります。ですが心配はいりません。ここからは、キャリアコンサルタントとの協働作業です。これまでの人生で経験した具体的な出来事とその時々に湧き起こった感情(嬉しかった、楽しかった、辛かったけど達成感があった、緊張した、がっかりした、悔しかった等々)を丁寧に思い起こします。キャリアコンサルタントと言葉のキャッチボールを繰り返しながら、事実と気持ちをしっかりと分けて整理していきます。すると、冷静にそして客観的にご自身の辿ってきた道のりを振り返ることができます。いつの間にか等身大のご自分にフラットな気持ちで向かい合い、労うことができるようになっていることに気づく瞬間が訪れるはずです。ありのままの自分を受入れることができるようになる。このプロセスこそが、「気持ちを整える」こと、そのものなのです。
あるいは、弊社が開催している再就職活動支援セミナーへの参加も気持ちを整えることに役立ちます。様々なバックグラウンドを持ちながらも、ご自身と同じように活動中であるという立場であり、同じような気持ちを抱える方々の存在を知ること、その方々とのコミュニケーションは非常に貴重な経験となります。ご自身のことを何も知らない他者からのフィードバックはご自分がこれまでに気づいていなかった強み、持ち味に気づかせてくれるものです。「自分では当たり前だと思っていたのですが、素晴らしいですねと言われてびっくりしました。嬉しかったです。」「自分が何を大切にしているのかが見えてきました。」とセミナーに参加された方々から、よくお聞きします。そのような時にご自分への穏やかでポジティブな思いが生じていることが感じられます。
このように、「気持ちを整える」とは、ご自分と穏やかにまっすぐに向き合い、等身大のご自分を受入れ、そしてご自身に温かくポジティブな感覚を持つことができる心の状態に整えていく「プロセス」だと私は考えています。
後編では、「気持ちを整える」ことによって、どのような効果があるのかについてお話したいと思います。