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2023/11/20自分のキャリアの市場価値をどのように伝えるか

キャリアの市場価値、という言葉を耳にされたことはありますか? 採用現場では最近キーワードとしてよく出てきています。 

キャリアの市場価値とは、労働市場でのあなたの価値がどれくらいあるのか、ということですが、採用側から見た場合に、あなたの可能性をどのように活かし、その職場でどのように活躍してもらおうかなどを考える指標となる重要な観点です。 

では、「自分はキャリアの市場価値がある人材である」ということを採用側にどう伝えればよいのでしょうか。 

そもそもキャリアの市場価値とは? 

キャリアの市場価値とは、その人がもっているキャリアに対して、現在の労働市場からみたそのキャリア自体の必要度・注目度のことです。具体的に言うと、どの場でも汎用的にどのシーンでも活かすことができるスキル(例えば、リーダーシップがある、ミスの少ない作業ができる、チームワークでの作業が得意、マルチタスクでの作業ができるなど)を指します。これは、これから就業する企業でどれくらい活躍できそうか、を見る指標となるとも言えます。 

ちなみに、専門的な領域のみで発揮できるスキル(例えば、業界特有の英語対応のスキル、経理のある分野のスペシャリスト、組織内で使用しているシステムのスペシャリストなど)はこれまでやってきたことに対しての評価となります。そのため、組織内では高い評価だったが社外だとさほど評価されないスキルになってしまうということもあります。 

採用側は、このような専門的なスキルの他、新たなポジションでどれくらい活躍してもらえそうか、つまり市場価値がありそうかを確認するためには、「ポータブルスキル」をどれくらい身に付けているのかも確認することが多くなってきています。 

求人案件を見ると、必要となる専門的な資格やある業務の経験が〇年以上、など分かりやすい必要スキルは書かれていますが、このポータブルスキルについて具体的に記載されている例はあまりありません。あるとしても、コミュニケーション力の高い方、前向きに業務に取り組める方、などの記載がある程度です。 

しかし実は採用企業はこの「ポータブルスキル」を重視しキャリアの市場価値がどれくらいある方なのかを見ている、という実態があるため、この部分をしっかりとアピールする必要があります。

まずはご自身の市場価値を確認してみましょう。市場価値を確認する観点はいくつかありますが、弊社で用意しているチェックシートもその一つです。動画での解説もありますので、一度キャリアの市場価値診断を実施してみてください。 

キャリアの市場価値診断のチェックシートと動画解説はこちら

キャリアの市場価値を認識してもらうための「ポータブルスキル」の効果的な伝え方 

市場価値診断のチェックシートを入力したら、今一度見返してみてください。 なぜその項目に、その点数をつけたのでしょうか。なんとなく、5段階なら大体これくらいかな、と点数を付けた方も多いと思いますが、各項目一つ一つじっくり見てみると、何か具体的に思い当たる出来事があるのではないでしょうか。 その出来事から、あなたのポータブルスキルがどのように身についたのか、どのようにそのスキルを発揮したのかを言語化してみましょう。 

もう一度思い返しながら、できるだけ詳しく書き出してみてください。 

「他者と適切なコミュニケーションをとり信頼関係を構築できます」「自分の役割を理解し、期待された成果をあげることができます」だけでは相手には伝わりません。なぜそう言えるのか、具体的なエピソードとともにその時に自分はどう考えたのか、そして周囲はどのことをどのように評価してくれたのかなど、これを端的に表現することで、ポータブルスキルがある人材であることをアピールでき、市場価値の高い人材であることを明確に認識してもらえることになります。 

ただし、時系列でただ説明するのではなく、出来事・そこでどのようにあなたのスキルを発揮したのか(どう考えたか)・第三者がどう評価したのかを客観的に、分かりやすく表現することが必要です。 

また、上記で実施頂いた市場価値診断で、結果のレーダーチャートで足りない部分がある場合や全体的に小さい形になってしまった場合、その部分はあまり得意ではないのかもしれませんが、自分なりにどのように伸ばそうと考えているのかを伝えるのもよいでしょう。 

これからの仕事において、どのように自分の能力を発揮したいと思っているのか、その能力が発揮できるとどのような成果があげることができるのかなど、応募する仕事の内容と照らし合わせてどのような汎用的なスキルが使えると思っているのかをアピールすることで、あなたのキャリアの市場価値はより具体的に伝えられるはずです。 

まとめ 

昨今の終身雇用前提ではない雇用市場においては、ポータブルスキルはますます重要になってきています。 

ポータブルスキルという具体的な自分の強みを武器に、採用の場であなたのキャリアの市場価値を正しく判断していただけるようにしっかりと準備して応募書類の作成や面接に臨んでいただきたいと思います。 

よく自分にはスキルがない、経験もあまりないので、と再就職活動で自信が持てないという方もいらっしゃいますが、必ず何かしらのポータブルスキルをお持ちのはずです。今一度市場価値診断で自分の強みを見直し、具体的なエピソードとともに相手に伝えられるように表現を考えてみてください。担当コンサルタントもお手伝いします。 

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