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2023/10/2350代の再就職、早期決定される方の行動特性とは?(前編)

再就職をすることになる場合、長くお勤めだったので少しゆっくりしたいという方もいれば、在職中から活動を開始し、離職ブランクを作らずにすぐに働きたいという方もいらっしゃいます。しかし、やみくもに活動をしても早期決定に結び付くというものでもありません。

今回は、50代の方々の再就職活動の例を見ながら、どのような方が早期決定されるのか、その行動特性を5つご紹介いたします。 

1)在職中から主体的に動いて情報を収集 

今まで沢山の方々の支援をしてまいりましたが、早期決定されている方は『積極的に情報収集し、行動を起こしている』方がほとんどです。「年齢的に、業界的に、地域的に、年収的に」とネガティブなイメージや先入観から活動に足踏みをされている方もいらっしゃいますが、実際その情報は信頼性のあるものでしょうか。 

50代での早期決定をされる方は、情報のエビデンスを把握し、常にアップデートし、ご自身の『市場価値』を把握・確認しながら実際に行動できています。この『市場価値』の情報は、応募先の仕事の理解だけでは成立せず、ご自身の経験・知識、強みや今後の意向などを含めた『自己理解』との重なりあいの部分に価値が出てきます。 
そのためにも、自分自身のキャリアや職務経験、スキルなどを客観的に見つめ直す必要と客観的に伝えるための「言語化(文字化)」が必要になってきます。自分自身がどのようなスキルを持っているか、どのような経験を積んできたか、どのような職種・業界での仕事が自分に合っているかを客観的に把握し、それを言語化(文字化)する、こうした自己分析をする能力が高い方たちは、ご自身のアピールポイントを他者へ伝えることができ、結果的に協力者を増やしながら「自分に合った仕事探し」を主体的かつ効率よく求人案件を探しています。就職サイトを眺めるだけでは本当に欲しい情報は収集出来ません。 

2)ちょっとしたキャリアチェンジも視野に入れている 

早期決定の方の2つ目の特徴としては、ご自身のキャリアを限定せず、視野を広げ、可能性を広げるために『チャレンジ要素』も含めて考えているということが挙げられます。自分が将来的にどのような職種・業界に就こうとしているかに関わらず、新しい環境に向かうには適応力、柔軟性が必要です。自分に合った仕事は必ずしもこれまで経験してきた業界や職務経験とは限りません。よく知っているから、ということでその業界や職種に固執するのではなく、これまでの経験を軸として、環境に合わせる柔軟性、その変化を受け入れられる適応力で新しいチャレンジがキャリアチェンジの成功率を高めることにもなるようです。 

ただし、『キャリアチェンジ』は、なんとなく出来そう、自分だったらやれば出来そう、のような伝え方では50代の方々のアピールでは説得力が弱いと感じます。なぜ出来そうと感じたのか、応用できる経験は何かなど、出来そうと思う根拠があるはずですので、その部分を応募書類や面接の時に採用担当者が納得できるような伝え方を準備する必要が出てきます。根拠のある自信を持っている方にこそ、採用先はチャレンジを応援し、キャリアチェンジの人材を受け入れるのです。 

3)時間のセットができている人、いつまでにどうするというのが見えている 

転職活動は思った以上に時間が足りず、慌ただしかったというのが、早期再就職をされた方の多くがおっしゃる感想です。まず50代で転職経験の無い方の行動特性として、「11社慎重に応募することにより時間がかかりタイミングを逃す、そして次の面接が決まるまで時間がかかり、面接の感覚がリセットされて毎回上手くいかない」が挙げられます。 

逆に、応募を同時並行で進める方は応募先の比較検討をしながら就職活動もでき、何度も面接を受けることによって受け答えも短期間で複数回経験することになり、その結果アピールポイントが説得力を持って伝えられるようになります。 

企業側も求職者を選考しますが、求職者も企業を選考するのが今の就職活動ですので、同時応募することに罪悪感を持たなくて大丈夫です。 

また、いつまでに就職する、という目的意識がある方のほうが早期決定の傾向があります。「○ヶ月以内に転職活動を終えたい」という具体的な期限を設ける、その期限から逆算して活動スケジュール立てると、それぞれのタイミングの活動に集中できます。不安に駆られ、やみくもにあれもこれもと手を出してしまったり、期限を決めてご自身の方向性に絞って活動したりするのは難しいとお感じも方もいらっしゃるかもしれません。 

しかし今までの業務も締め切りがあり、納期厳守をやり切っていたことと思います。その際の取捨選択の決断力も就職活動でも必要になります。 

50代の再就職、早期決定される方の行動特性とは?(後編) はこちら

 

キャリアコンサルタント 川畑

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