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2021/06/01シニアだからこそのキャリアデザイン~前編

キャリアコンサルタントとしてこれまで20年以上にわたり多くの方とお会いし、これまでのキャリアについて、また今後のキャリアについて一緒に考察してきました。この20年の間で、時代背景も大きく変わり、それとともに再就職の環境も様変わりしています。特に現在は「人生100年時代」と言われているだけに、経験豊富なシニア層においては、50代後半から60代・70代・80代・・・その先の人生に向けて、どのようにキャリアを続けていくのかをしっかりと考えていくことが大切な時代となりました。

今回のコラムでは、2回にわたり、このような時代背景を踏まえてシニアだからこそ考えたいキャリアデザインについてと、考えるためのポイントについてお伝えします。前編では、まず皆様に2つの問いかけをしたいと思います。

最近「悔しがったこと」はありますか?

先日あるメディアで、体力と記憶力を誇る80代~90代のいわゆる「スーパーシニア」には共通点がある、というものを目にしました。ある3つのポイントがあり、それが健康の極意や若さをたもつ秘訣だということでした。

  1. 開放性 (オープンな心)
  2. 誠実性 (若い人の意見を素直に聞くしなやかさ)
  3. 気持ちの若さ

私が着目したのは、この3の「気持ちの若さ」です。若い気持ちの代表的なものに「悔しいと思う持ち」があるというのです。何歳になってもある程度の悔しがるという感情は、誰しもあるものと思います。しかし、その悔しいと思う感情は歳を重ねるとともに、次第に丸みを帯びてきて、「まあいいか」「しかたない」という妥協や諦めの感情に変化していくことがあります。若い頃には感じていた「悔しいからこそ次は何とかしたい」「どうすれば次は悔しさを感じずに自分の思いを達成できるか」という悔しさの反動からの挑戦の意欲はいつからか無くなっていませんか?

悔しいと思う感情は、挑戦への第一歩です。その感情を意識すると、そこにまた新たな挑戦意欲が湧いてきます。その意欲がこれからの人生への動機付け要因に繋がって行きます。その結果、いきいきとした活躍するシニアの姿になっていくというわけです。キャリアデザインも同じです。諦めていた「何か」をもう一度見つめ直し、自分のこれからのキャリア人生でどのようなことが動機付けになるかを考えてみるのも良いと思います。

あなたのキャリアは「誰のためのキャリア」ですか?

私が毎日見る「相田みつを」の日捲りカレンダーの10日目に『人の為と書いて偽り(いつわり)と読む』とあり、その言葉を見ると思い出すことがあります。
以前担当した50代のご相談者の方が、初回のコンサルティングの日に「うちはまだ2人の小学生がいるので、まだまだ働かなくてはいけないんです」と悲壮な表情でお話されていました。私が、「お子さんがお父さん働いてね!と言っているのですね」と言うと「ひどいな!そんなこと言うわけないでしょう!」と怒らせてしまいました。「失礼致しました、私が申し上げたかったのは、ご自身が子どもの頃そうであったように、今度はご自身が親としてお子さんたちに対して、出来ることはしっかりとやりたいのですよね」とお伝えしました。すると、ハッと気づかれた様子でした。「まずは 『やらねばならない』 という肩の荷をおろして下さい。そしてお子さんの為に働かなければならない、という義務感をなくしてみましょう。お子さんたちに対して、自分が納得できることをやってあげたいんだという考え方をしてみてください」とアドバイスをすると、その方の表情は一変しました。
その後は、家族にも言えなかった悩みや相談も開示しながら積極的に活動を行い、無事にご自身が納得する再就職をすることが出来ました。 

働くということは誰かのため、特にご家族がいらっしゃる方は家族のため、お子さんのためという思いになりがちです。しかしながら、働くのはあなたです。働く上でのキャリアを「自分ごと化」して、誰のためでもない「自分のキャリア」として捉えてみましょう。

いかがでしたでしょうか。まずは、自分の心の声、忘れていた気持ちと向き合う、それがキャリアデザインの第一歩なのです。ぜひ、皆さまも一度ご自身に問いかけてみてください。

次回のコラムでは、具体的にキャリアを考える上でのポイントをお伝えします。

後編のリンクはこちら:シニアだからこそのキャリアデザイン~後編

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