2026/05/18企業が考える「シニア採用」のメリットとデメリットとは
少子高齢化が進む日本社会において、企業にとってシニア層の労働力活用はますます重要なテーマとなっています。企業は人材確保の観点からシニア採用に注目していますが、メリットだけでなく、特有の課題も存在するのも事実です。今回は、企業がシニア人材に期待するメリットと、採用時に懸念するデメリットを整理してご案内します。企業側の視点を知ることで、どのようなスタンスで再就職活動に臨むとよいかヒントを探してみましょう。
企業がシニア採用に期待するメリットとは?
①人手不足の解消
総務省の「労働力調査」によると、2023年の65歳以上の就業者数は912万人に達し、10年前と比べて約53%増加しています。働きたいシニア層が増え、日本の若い労働力が減っている中、企業もシニア層や外国人材を人材確保の有力な選択肢として位置づけています。 また昨今では、多世代共働型の職場は、ダイバーシティ推進の観点からも評価される傾向もあり、高齢者等の雇用の安定に関する法律なども後押ししてシニア人材の採用をメリットとして捉えている企業も増えています。
②経験と専門性による即戦力
企業がシニア人材に最も期待するのは、長年の職務経験による即戦力性です。教育コストを抑えつつ即戦力として活躍できる人材は貴重です。特に専門性が高い経験や能力、また長く働いてきたことによる社会人としての安定性が必要とされる業界で期待するのは「経験豊富な即戦力」として多くの企業が挙げています。 突出した経験と専門性ということに限らず、どの領域やどの分野でも生かせるポータブルスキルを培っている、という意味での経験豊富であることもメリットとして捉えられます。
③若手育成と職場の安定化
シニア人材は、若手社員の育成係としても期待されています。豊富な経験やスキルを活かすだけではなく、そのテクニックやノウハウを次世代に残してほしいと企業側は考えています。人生経験に基づく指導力や落ち着いた勤務態度は、職場の安定化にも寄与します。
しかし、企業は経験豊富で即戦力なら誰でもいいというわけはなく、経験値だけの基準で選ぶわけではありません。シニア採用をメリットと感じる以上にデメリットと感じている企業が多いのも事実です。即戦力が欲しい、若手を育成して欲しい、人手不足を解消したい、でも実際に採用となると二の足を踏んでしまう、という企業もあります。採用担当者からは、履歴書や職務経歴書ではよさそう、と思って実際に会っても面接でお断りすることになるという声も聞きます。企業が懸念するシニア採用のデメリットとは何でしょうか。
企業が懸念するシニア採用で感じるデメリット
①モチベーションや体力面での懸念
これまで長く働いてきたし、これから少しペースダウンしてのんびり働きたいという方もいらっしゃるでしょう。その場合、自分に合った働き方の一つの選択肢として働き方(週3日程度にする、短時労働にするなど)を変えるというのはよい選択肢です。ただ、気を付けておきたいのは、働き方ではなく仕事に対する熱量という意味で下がっていないかという点です。モチベーションを保った状態で働いてくれるのか、体力的に対応可能なのか、期待する質や量のアウトプットを出してもらえるのか?という懸念を持つ企業も多いようです。
②自分のやり方に固執・批判的な態度を取らないか?
これまでの豊富な実績があるとその成功体験があるからこそこだわるあまりに、今までこうだったらからとやり方を押し付けたり、その企業のやり方をよく見ずにこれは良くない、と批判したり、自分のやり方に固執してしまうのでは?と懸念を持たれるケースもあります。こだわりがあるのはいいのですが、それによって新しい仕事を覚えるのに時間がかかってしまうこともありますし、経験があるからこそ、新たなテクノロジーを取り入れずに自分のやり方のほうがいい、など周囲との軋轢を生むのではという懸念も持たれることもあるでしょう。
③給与面が見合わない
採用企業がシニア採用で一番懸念しているのは、給与が見合わない、という点です。新卒の方であれば業界や職種により多少のばらつきはあるもののほぼ横並びとなりますが、シニアの採用では大きく変わってきます。求職者側はこれまでの収入を維持したい、これまでの経験を活かすのだから、今まで以上の収入を得たいなどの希望がある一方、企業側は「この仕事、この役割であればこの給与」という観点や決まっている給与レンジから給与を設定することが多くなります。希望の給与ではないから、それなりの働きしかしない、ということにはならないか。採用担当者側が懸念する点となっています。
デメリットを解消するための活動ポイント
企業が感じているシニア採用の懸念を理解し、「ぜひ一緒に働きたい」と思ってもらうために再就職活動を進める上で以下の3点を意識していくとよいでしょう。
①意欲と熱意を明確に伝える
企業が懸念する「モチベーションや体力面への懸念」に対しては、応募書類や面接で「働く目的」や「意欲」を具体的に伝えることが効果的です。「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える方が増える中で、どれくらいの熱量を持っているかを理解してもらえるかがポイントとなります。何をしてきたか、ではなく、これから何ができるのか?をよく考え、的確にアピールしましょう。
②柔軟性をアピール
自分のやり方でここまでやってこられたことは素晴らしい経験です。そのことは自信として持ったまま、さらに謙虚な姿勢で新たな仕事に取り組めることを伝えていきましょう。新しいことを取り入れることができる人材だ、ということを伝えられるエピソードを思い出してみてください。こだわりを強く出すのではなく、業務にも柔軟に取り組み、周囲の方との協業ができることを伝えていきましょう。採用のポイントは、結局は「お人柄」と答えている企業もあります。この人と働きたいと思ってもらえるようにしましょう。
③自分の条件やこれからの希望を再検討する
企業の提示する給与と希望の給与が金額的に完全に見合うことはほぼありません。企業は「これまで」ではなく「これから」に対して給与を支払うため、ここに求職者とシニア採用企業のギャップが生まれてしまうのです。その職種や働き方であれば見合う給与なのかという見方をしてみましょう。環境もやることも変わりますので、これからの何に対しての給与となるのかという観点で希望条件を見直すことも必要です。収入面はどうしても譲れないということであれば、その企業だけでの収入ではなく副業など他からの収入を得る方法はないか、検討しても良いかもしれません。
まとめ
シニア人材の採用において企業が何を求めているか、どのような懸念を持っているのかが見えてきたのではないでしょうか。企業がシニア人材に期待することや懸念点を払拭し、これからも自分らしく働き続ける環境を得られるよう再就職活動を進めていきましょう。
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