再就職活動ライブラリ キャリアカフェ career cafe

前編ではルート営業の方の事例をご紹介しましたが、後編では百貨店ご出身の方の事例です。

「若い人に投資したい」と最終面接で不採用？

百貨店で30年以上、売場管理や外商、催事企画などを担当していた50代半ばの方がいらっしゃいました。昨今の百貨店の売上減少や、新型コロナによる影響で、会社が早期退職を募ることになり、「これを機に地元に貢献できる仕事をしたい」との思いから、制度に応募することを決意されました。

退職前から精力的に応募活動を進め、第1希望である地元の量販店の1次面接、2次面接をクリアし、人事の方から「百貨店での経験をぜひうちの店舗運営に活かしてください」との言葉をいただいたそうです。ところが、いろいろな企画を思い描きながら、最終選考の社長面接に臨んだところ、「もっと若い人に投資したい」という社長の意向で、不採用となってしまいました。

「あきらめずに挑戦を重ね、企業のニーズにマッチ」で壁を突破

私との面談の場では、「さすがに落ち込みました。なかなか次に向かう気力がわきません。」とお話されていました。経験を評価してくれる企業はどこかにある、あきらめずにどんどん応募することが重要、とお伝えし続けたところ、しばらくしてから、「気になっている地元の製造業で求人があるけれど、募集している職種が自分の経験と合わないため、応募をためらっています。」というご相談を受けました。
「別のポジションを検討してくれるケースもありますので、まずは応募してみませんか。」とお話したところ、「ずっといいなと思っていた企業なので、思い切って応募してみます。」と前向きなお返事を頂きました。
応募してから間もなく、その企業の社長から、「ちょうどこれから営業に力を入れていきたいと考えていたところなので、ぜひお会いしたい。」という連絡をもらったそうです。面接ではすっかり意気投合し、あっという間に採用が決定しました。その社長は3代目で、まだ40代前半とういう年齢のため、これからの企業発展のため、いろいろ相談できる人材を採用したかったそうです。今では社長の右腕としてとても頼りにされているとのことでした。就業前に挨拶に来て下さり、「年収は下がりましたが、地元に貢献している企業に就職することができて、とても満足しています。あの時、応募をあきらめなくて本当に良かったです。」という嬉しいお言葉をいただきました。

年齢の壁であきらめないこと

50代の転職には、確かに「年齢」という壁が立ちはだかります。しかし、これまでの経験と情熱を持って、粘り強くアプローチすることで、壁を乗り越えた方が多くいらっしゃいます。企業のニーズがどこにあるかは、応募してみなければわかりません。同じ年齢でも「もう50代」と捉えるか、「まだ50代」と捉えるかはそれぞれの企業で異なります。
不採用になると、誰でも落ち込んでしまいます。しかし、たまたまニーズが合わなかっただけなのです。自分を必要としてくれる企業にめぐりあうために、積極的に応募することをお勧めします。

私たちキャリアコンサルタントは、常に皆様に寄り添い、適切なご相談をすることで、就職活動を応援しています。いっしょに頑張っていきましょう！

キャリアコンサルタント　池上