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2023/03/27立ちはだかる「年齢」という壁を越えて ~50代の転職成功事例~ 前編

50代の転職では「年齢」が大きな壁になる場合があります。例えば、どんなに素晴らしい経験があっても、人柄が優れていても、「伸びしろの多い」若い方を採用したいという企業もあります。また、自分より年上の部下を敬遠する風潮がある企業もあります。しかし、立ちはだかる「年齢」という壁を越えて転職に成功した方もたくさんいらっしゃいます。今回はそんな50代の方の事例を2つ、前編・後編でご紹介します。

「経験を活かしたい」という志望動機では書類選考が難しい?

30年以上工業製品のルート営業をしていた50代半ばの方の事例です。残念ながら勤務先の工場が閉鎖することになり、初めて転職活動を行うことになりました。ルート営業での再就職を希望しており「家から近く、経験が活かせる」という求人に応募しましたが、なかなか書類選考を通過することができませんでした。

そこで、応募先と志望動機を見直すことをアドバイスしました。これまで応募した企業への志望動機は、「これまでの経験を活かしたい」というもので、どの企業でもほとんど同じ内容でした。もちろん「経験を活かせる」ということも大切な志望動機ではあります。

しかし、その理由だけでは、企業側には「うちの会社でなくても良いのでは?」と誤解される可能性もあります。

ルート営業では、その企業の商品やサービスの価値を売ることが求められます。応募先の企業自体、また商品やサービスの価値に思い入れがあるほうが、うまく入社への熱意をアピールができ、採用につながりやすくなります。

「1つの会社で頑張ってきた経験と仕事への情熱」で壁を突破

そのような視点を取り入れて改めて求人を探してみたところ、気になった求人案件が「福祉用具専門員」というものでした。ご自身がお父様を介護していた時に、福祉用具にとても助けられた経験があり、自分でも商品を扱ってみたいと思ったそうです。家から近く、給与も納得できる条件だったため、早速応募しました。

まず、応募書類をこちらの企業にあわせて修正することからはじめました。求人票をしっかり読み込み、求められている仕事内容を踏まえて、職務経歴書の書き方を修正しました。また、企業のホームページで事業の内容を確認し、「お客様の声」などもチェックした上で、この企業で働きたいという「思い」を志望動機に入れて応募したところ、無事に書類選考を通過することができました。次に面接対策です。特に力を入れたのは、「どうしてこの仕事がやりたいのか」ということを簡潔に、相手に伝わるように話すという点でした。当初は思い入れがある分、つい話が長くなってしまう傾向がありました。「まず結論から述べること」「相手が興味を持った点は詳しく説明すること」と2点をアドバイスしたところ、わかりやすく、そして、熱い気持ちが伝わる応答ができるようになり、見事に内定を得ることができました。

後日、この方が会社へ挨拶に行ったところ、採用に至った理由を聞くことができたそうです。応募者の中には、30代の方や、資格を持っている方もいらっしゃったそうです。それでもこの方に決めた理由は、「1つの会社で長年頑張ってきた経験と仕事に対する情熱」だったそうです。

「プレッシャーもありますが、期待に応えられるように頑張ります。福祉用具が必要な時は、私に声をかけて下さい!」と、笑顔で再就職活動を終了されました。

 

後編では、百貨店ご出身の方の事例をご紹介します。

キャリアコンサルタント 池上

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