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2023/06/19多様化する採用とその対応方法

ここ数年で「多様化」というキーワードをよく耳にするようになりました。労働市場でも働き方の多様化が進んでおり、副業を始め、兼業やパラレルワークなど、様々な考え方や収入を得る手段は「一社に就職」に限らないという考え方が浸透しつつあります。 

そして採用する企業側も、その背景から希望する働き方に柔軟に対応するところも増えてきています。 

またそれに伴い、採用する方法・手段や観点もかなり変わってきています。まさに採用方法自体も多様化してきているというのが現状です。今回は、最近の採用方法や傾向・観点などについて、ご紹介したいと思います。 

「応募ありき」ではない採用 

これまでの人材の採用方法と考えると、企業側は自社のホームページに採用情報を掲載する、ハローワークに求人を出す、転職サイト等に出稿して掲載するなどの情報を出す、ということをまず思いつくかと思います。 

情報を広く展開して、応募を待つというスタイルです。確かに有効求人倍率が低い場合、企業側には応募が多く、母集団の中から選定をするという方法が多くなります。 

ただ、昨今の不安定な状況の中で、人事はただ応募を待つという形での採用から、採用したい人材に積極的にアプローチをするという採用方法も多く取り入れられるようになりました。例えば、ダイレクトリクルーティングやヘッドハンティングなどのように企業側から自社に合う人材に声をかける、という方法があります。また、LinkedInを活用して求職者を探すことも一般的になってきましたし、ミートアップなどでその企業を知ってもらう取り組みを行ったり、リファラル採用を積極的に行ったりする企業も増えています。 

採用企業は、ただ待っているのではなく、多くの接点を持とうとしています。これまでのような、ただ紙面や画面の情報だけで一方的に応募をするという形だけではなく、「採用企業の目に留まるために何をすればよいか」という観点が、応募する側にも必要になってきています。 

書類選考にも変化 

多くの企業では、採用は人事が行っていると思います。部署単位での採用決定権があるケースもあると思いますが、いずれにしても採用担当者は多忙です。採用方法が応募だけではなくなってきているとはいえ、やはりまずは書類選考という方法が最も多く、履歴書・職務経歴書が一次選考となるケースもまだまだ多いのが現状です。 

採用側の業務の細分化や工数削減もあり、書類選考に長く時間をかけられなくなってきているという実態もあります。書類選考をした担当者と面接官が違うというケースもよくありますし、現在は、AIによる書類選考をしている企業も出てきています。 

ここで必要となるのが「誰が見ても、一目で分かるレジュメ」となります。伝えたいことを何枚も書いても、読んでもらえないということになります。数十年の経歴を、ただ順を追って長く書いても、相手には伝わりません。本当にアピールしたいことは何か、どのようにキーワードを盛り込むのが効果的かをしっかり考えて作成することが重要です。 

面接の観点が変わってきている 

人材を募集している企業、またその採用担当者はどのような点を採用の基準としているのか、どのような視点で面接をしているのかなども変わってきています。過去の面接というと「経歴」「志望動機」というよくある質問が多く、ポテンシャルを見て採用、ということもあったと思います。 

もちろん、これまでと同じように面接官は、応募者の身だしなみや話し方、考え方、また雰囲気などから自社や部署とカルチャーフィットするかどうかを見ています。また、これまでの経験なども確認し、志望動機でやる気を確認するということ自体は変わりません。 

ですが企業側も、様々な背景から、自社にとって良い人(一般的に素晴らしい人、ということよりも自社の成長に必要な即戦力となる人)を採用したい、そのために本心や本音の部分を引き出して、その応募者がこれまで何をしてきたかよりも、これから何ができるのかという側に主軸を置くような面接が多くなってきているのが実態です。 

特にミドルシニア・シニア層の転職では、これまで何をしてきたかを語る方が多いですが、企業が知りたいのは、その経験やエピソードから何を学んできたのか、そしてその経験を活かしてこの企業では何をしてくれるのかということです。そして応募者の採用後の活躍の様子を思い描けるかという観点で面接時の対応や受け答えを見ています。 

職務経験の棚卸しと、応募したい企業の研究をする、そしてどこがどのようにマッチするのかをしっかり考えることが重要です。 

そうすることで、これからその企業で何ができそうなのかを具体的に伝えられるようになります。 

まとめ 

VUCAの時代、採用方法も多様化が進み、それに合わせて書類選考や面接内容も変化してきています。応募する側もその変化を受け入れ、対応していく必要があります。 

再就職支援サービスでは、この多くの採用方法に対応するため、個別のコンサルティングやセミナーを実施していますのでご活用頂くことをお勧めします。多様化する採用方法に合わせて、万全な準備をしておきましょう。 

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