再就職活動ライブラリ キャリアカフェ career cafe

記事を読もうColumn

2023/09/2550代の転職事例:好きなことで仕事を見つけるのは大変⁉

自分の好きなことを仕事にしたい 

長年続けてきた仕事を辞めた直後は、ゆっくり好きなことをしたい、丁寧な暮らしをしたい、これまでできなかった趣味や旅行、平日昼間に友人と会うなどして解放感を味わいたい、そんなお気持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう思っていたのに、しばらくゆっくり過ごされると、やっぱりこれまでのようにまたバリバリと働きたいと思ったり、プライベートとの両立をしてゆったりとした働き方をしたいと思ったり。もしくは、これからは「好きなこと」に携わりたいと考える方もいらっしゃるかと思います。 

今回は自分の「好きなこと」を仕事にしたい!と再就職活動された方の事例をご紹介いたします。 

まず、自分の好きなことは何かを考える 

Sさんは大手メーカーで営業・マーケティングの仕事をしてこられた50代半ばの方。子育てが終わり、時間やお金に関しては自由になったので自分の「好きなこと」を仕事にしたい、焦らずゆっくりと活動したいとのご意向でした。 

まずは、「英語力を活かしたい」、「形のあるものを売る仕事に興味がある」、趣味は美術館巡りで、「アートに関わること」を仕事にしたいなど、面談で多くの「好きなことは何か」をお話いただきました。合わせて、弊社のアセスメントツールを使ってご自身の強みを確認したところ、「対面でコミュニケーションをしながら仕事をしていくことが好き」だと認識されました。 

WEBセミナー(キャリアの振り返りと自己理解)にも参加され、「サポートすることが好き」、「新しいことを学び新しい世界が見えた時にモチベーションが上がる」というご自身の価値観についてもお気づきになりました。さらに、WEBセミナー(多様な働き方)にも参加されたことにより、働き方について視野が広がり、正社員にこだわらず、フリーランスで仕事をした方が好きなことに近づけるのではないか、周りにはフリーランスで自分の好きなことを仕事にしているご友人も多く、ご自身でも「フリーランスで好きなことをしたい」という思いを持たれたのです。 

好きなことを整理して応募活動を始める 

多くの気づきはあったものの、いざ応募活動という時好きなことを整理できず、方向性の絞り込みがうまくできないと悩まれていました。そこで、面談で今まで洗い出してきた「好きなこと」を改めて書き出し、一緒に方向性を考え、これからの仕事の提案をしました。 

「英語力を活かしたい」、「形のあるものを売る仕事に興味がある」 というご希望から、メーカーの海外営業、販売企画の求人案件をご提案。また「アートに関わること仕事がしたい」、「対面でコミュニケーションをしながら仕事をしていくことが好き」、 というご希望から、展示会企画・コーディネーター、アートイベントコンサルの求人案件もご提案してみました。 

そして、多くの求人案件を目にしていく中で、ご本人から「サポートすることが好き」で、「フリーランスで好きなことをしたい」 ので、フリーランスの方たちのスケジュール管理支援業務をフリーランスで請け負うのも良いかもしれないというお話がありました。具体的な求人を見ることで、その仕事をしたいかどうかを本当に「好きなこと」を仕事に結びつけて、より具体的により現実的に考えられるようになったのです。 

その後、公的機関での文化アート関連企画制作業務の募集を見つけた際には、利益ではなく、人のため、豊かさのために働いていきたいと目を輝かせ、早速応募しましたが残念な結果となってしまいました。ただ、この応募がきっかけとなり、積極的に気になる求人を見るようになりました。他にも、「食にも興味がある」ことから、ニュースで見て気になったアグリフードテック系ベンチャー企業、「お酒が好き」なので日本酒を扱っている会社を経営しているご友人に仕事の相談など、なかなかうまくいかないこともありましたが、「好きなこと」を軸として積極的に動かれていました。 

中長期的な視点でキャリアデザインをご提案 

積極的に動いてはいるものの、なかなか結果には結びつかず、3か月ほど知人の紹介で英語通訳のアルバイトをしつつ、並行してご友人のコミュニティスペースにて、前職での営業・マーケティングのご経験を活かしたウィスキーサロンの集客・広報・経営アドバイスをしたり、SNSでご自身のプロフィールを作成したりしながら「フリーランスで好きなことを仕事にする」ことを実現するために活動されましたが、現時点では安定的に仕事をとっていくのは大変だと気づかれました。 

私としては、好きなことをあきらめず、中長期的な視点でキャリアをお考えいただきたいと思い、公的機関での中小企業の国内販路開拓支援業務の求人案件をご提案しました。この仕事で販路開拓支援の経験を積むことにより、今後フリーランスで仕事をとっていくお力が身につき、やりたいことの実現につながるのではという観点でのご提案です。ご本人も納得され、応募したところ、みごと内定を得ることができました。そして、今後を考えると最良の仕事だと再認識され、就職を決断されました。 

やりたいことにたどりつくまでの道のり 

今回は自分の「好きなこと」を軸に仕事を探された結果、予想外の形で最良の仕事にたどり着いた事例をご紹介しました。 

今では営業・マーケティングのキャリアを活かし、小規模事業の販路開拓を行いながら、引き続き「やりたいこと」の実現を目指して頑張っていらっしゃいます。自分の「好きなこと」を徹底的に模索したからこそ、やりたいことの実現のために今できる最良の選択として、まずは内定が出た組織で働いてみようというお気持ちになられたのだと思います。 

行動を起こして一歩踏み出すと、これまでとは違ったものが見えてきます。社会や環境が変化するのと同じように、私たちの気持ちや思いも変化し、その中でご自身の最良の選択が見えてくることもあると思います。是非担当のキャリアコンサルタントに、「好きなこと」を自由にお話ししてみてください。私たちキャリアコンサルタントが最良の方向性を一緒に考えてまいります。 

関連コンテンツ

2024/06/17
コラム

60代以降(定年後)の働き方は?収支の「見える化」で老後の選択肢を増やそう!

現在、日本では定年の見直しが進んでおり、2025年4月からは「65歳までの定年引き上げ」や「65歳までの継続雇用制度の導入」が義務化されます。少子高齢化に伴い労働人口が減少するなか、定年は延長傾向にあり、     また定年後も続けて働きたいというシニアの労働者も増えている傾向です。 しかし、60代以降は、働く目的が変わったり、また体力面でも現役時代とは変わったりと変化が多い時期であるため     ご自身にあった働き方を新たに探したいという方も多いのではないでしょうか。定年後でも納得できる働き方を選ぶためには、収支について十分考えておく必要があります。収支を見える化(可視化)して、必要な資金を明...

2024/05/27
コラム

50代後半~60代の再就職活動は何をすべきか?

再就職活動で何をするのか?と考えた時に思い浮かぶのは、「応募書類を作成し求人を探して応募する。そしてその後、いくつか面接を受けて再就職先が決まる」 ということではないでしょうか。確かに収入アップなどの雇用条件の改善やキャリアアップが中心となる20代・30代の転職活動ですと、そのようなルーティン的な活動がメインになるかと思います。 しかし、今後の生き方・働き方も含めて次の進路を模索していく50代後半~60代の再就職活動においては、必ずしも直接的な求職活動だけが再就職活動ではありません。ここでは、第二の仕事人生がより充実したものになるよう、再就職活動期間に行った方が良い活動を50代後半~60代向け...

2024/05/13
コラム

30年前といまの就職活動の違いは?50代・60代が転職や再就職を成功させる5つのコツ!

50代・60代での転職や再就職は難しいともいわれています。 現在就職活動をしているものの、なかなか採用に結びつかず悩んでいる方もいることでしょう。なかには、就職活動をしたくても、採用されるのかどうか不安で踏み出せない方もいるかもしれません。しかし、年齢だけで転職や再就職を諦めてしまうのはもったいないです。 本記事では、50代・60代の就職活動についての現状や、30年前の就職活動との違い、転職・再就職を成功させるコツなどを解説します。転職や再就職を目指している50代・60代の方は、ぜひ参考にしてください。 50代・60代の転職の実態 厚生労働省が公表している「令和4年雇用動向調査結果の概況」によ...

2024/03/18
コラム

50代後半の再就職事例:40年以上離れていた地元へ介護Uターン

高齢化社会という背景の中で、介護ついては、実際にかかわっている、もしくはこれからかかわる可能性があるので気になっているという方が多い世の中になってきたように思います。私自身も一人で暮らしている高齢の母をサポートしていますし、ご相談者の方でも介護ありきで再就職を検討される方も増えているように感じます。  そこで今回は、ご家族の介護を起点にUターンをしてセカンドキャリアを検討された方についての事例をご案内します。 50代後半の男性の事例です。 九州の地元を離れて関東において製造現場でご就業、豊富なご経験をお持ちでしたが、どうしても高齢のお母さまの介護をしたい気持ちが強く、40年ぶりにUターンするこ...