2025/06/16ミドルシニアの面接 留意したい3つのポイント
再就職活動が順調に進み、書類選考が通過するといよいよ面接となります。
私たちがご支援している皆さまに提供している面接に関するセミナーや実践のワークショップでも、新卒で入社の時以来という方も多く、不安が多いという方も多いです。特に業務経験を積んでこられたいわゆる「キャリア採用」の場合、どのような質問をされるのか、どのような回答を期待されているのかなど気になることも多いと思います。
これまで長くお勤めだった企業内では、暗黙の了解、言わずとも伝わることがあり、その企業内の常識で伝わっていたことも多かったと思います。しかし、これからはゼロベースでのコミュニケーションが始まります。面接でも真摯に対応するよう心がけましょう。
本記事では、その中でも特にミドルシニアの面接での受け答えについて留意したい点をご案内します。
経歴は、「何をしてきたのか」ではなく「何ができるのか」も伝える工夫を
経歴というと新卒で働き始めてから何をしたかを語ることと思われがちですが、特に長く多くのことをされてきている皆さんの場合、時系列で○○をやりました、だけでは話がただ長くなるだけで、相手に伝わりにくく本当に伝えたいことが伝わりません。ポイントを絞り、一番伝えたいことは何かから逆算して考えると良いでしょう。
多くの方は自分がやってきたことを説明するためにも、その部署やチームが何をしているのか、自分がその中でどのような役割を担ってきたのかという背景からの説明が必要かと思います。何をしてどのような工夫をしてその結果どうなったのか、事例を交えて端的に伝えると相手もイメージがわきやすくなります。
多く様々なことを経験された方にありがちなのは、とにかくまとめて話そうとするあまり、「今回応募する業務のようなことは一通りいろいろやりました」「〇○部でやりそうな業務はだいたい経験があります」では、具体性がなくまったくアピールになっていませんので、経歴をどのように伝えるのかは「具体的且つ端的に」を意識して準備しましょう。
「感じのよい対応」と「フランクな対応」は全く違う
これまで管理職だったり若手の育成だったり、年下のメンバーと接してきた方、また顧客対応など業務上での社内・対外的なコミュニケーションをよく取られてきた方に多いものですが、初めは緊張感を持って対応してきたものの、場慣れしてくると面接にもかかわらずどこかフランクな態度が出てしまう方もいます。
例えば、「あ~はいはい、そうですね~」という相槌や「~だけど」や「~とか」という言葉遣いなど、ふとしたところで出てしまうことがあります。話しやすく、コミュニケーションが取りやすいと思われる一方、一歩間違うと馴れ馴れしい、謙虚さや緊張感が足りないと思われてしまうことがありますので注意しましょう。面接でよいコミュニケーションが取れるのはとても良いことですが、初めから最後まで、選考の土俵に乗っている状態でのコミュニケ―ションであることを忘れてしまわないよう留意しましょう。
また、自信があるように見せることがかえって鷹揚で不遜な態度と思われてしまうこともあります。ちょっとした言動で相手の印象も変わりますので、どのような言い方が望ましいのか、どのような態度が良いのかは第三者(例えば担当コンサルタントなど)が確認すると良いと思います。
質問に対しての回答も具体的に
〇○はできますか?□□もやってもらうことがあると思いますが・・・という質問に対して、「はいできます」「やれと言われればできます」「人並みにはできると思います」「たぶん大丈夫です」「それはできないと思います」という回答は少し物足りない印象がありませんか?
一応回答にはなっていますが、経験やスキルが強みとなるミドルシニアの場合は、具体例を出して、「これまでに〇〇の経験があるのでも問題ありません」「今はできませんが何回か経験すればすぐにできるようになると思います」など理由を一言添えて回答するというのを意識しましょう。もちろん、だらだらと説明するのは得策ではありません。相手が求めている内容を推察して、それに合わせたちょっとした説明を入れるだけで印象はかなり変わります。
まとめ
回答や対応において注意したい点をご説明しましたが、実は面接官は回答の内容だけではなく「一緒に仕事をした時の態度やふるまい」も併せて確認しています。説明を求めたときに無駄に長くポイントが分からない、チームメンバーとのコミュニケーションが取りづらい、具体的な説明ができない、説明が足りないなど、一緒に仕事をする上でのマイナスの印象がないかを確認されていると思い、臨みましょう。
また、共通して言えるのは、全体的に面接の場で「熱意と誠意」が感じられないケースはことごとくうまくいかない、ということです。具体的に理解してもらうために真摯に臨む姿勢や熱意がなければ、相手も理解しようとはしません。採用側は、スキルや経験については履歴書や職務経歴書で確認していますので、面接の場で確認したいのは人柄ややる気・熱意がどれくらいあるのか、場合によってはそちらのほうを重点的に見ているケースもあります。
これまでの職場とは違い、ゼロベースのコミュニケーションです。テクニックだけではなく気持ちの上でも自分を表現しましょう。
経験豊富な転職者ならではの面接で留意したい点をご紹介しました。ぜひしっかりとした準備をして面接に臨んでください。